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2拠点体制整え供給安定化

信越化学、ベトナムにレア・アースマグネットの製造工場

2014年4月22日 (火)

拠点・施設信越化学工業は21日、ベトナムにレア・アースマグネットの製造工場を新設すると発表した。

新工場の生産能力は年産2000トンで、設備投資額は120億円。信越化学のベトナム子会社「シンエツマグネティックマテリアルズベトナム」が同国ハイフォン市に所有する土地に、2期に分けて建設する。10月に着工し、第1期分は2015年9月に年産1000トン、第2期分は16年9月に年産1000トンの工場となる。

同社がベトナムにレア・アースマグネットの新工場を建設するのは、生産拠点を複数化して需要家への安定供給を確保するとともに、自動車用途を中心に拡大が見込まれる需要を着実に取り込んでいく狙い。

レア・アースマグネットの製造工程は、「焼結」と「加工」の二つの工程に大別されるが、これまで信越化学のレア・アースマグネットの生産拠点の中で焼結工程を保有していたのは、福井県の武生工場の一拠点のみだった。

ベトナム新工場には、武生工場と同じ焼結工程を設ける計画で、同工程を複数化することによってリスクの分散を図る。これにより、焼結工程の生産能力は1.5倍程度となる。

同社は12年にベトナムでレア・アースマグネットの主原料となるレア・アースの分離精製を行うシンエツマグネティックマテリアルズベトナムを設立し、13年に工場が操業を開始。

新工場はこの分離精製工場に隣接し、同工場から原料の供給を受ける。生産したレア・アースマグネットは、同社が東南アジアに展開している工場で加工し、需要家に向けて出荷する。