財務・人事東陽倉庫が8日発表した前3月期決算は、国内、国際物流事業がともに堅調に推移し、9.1%の増収を確保、営業利益は54.1%増となった。
国内物流事業では、医薬品や食料工業品の分野での新規荷主の獲得、提案型営業によるデプロイ業務の獲得など営業強化に努め、流通加工業務の増加、増設した物流施設が通期にわたって業績に寄与、取扱いが大幅に増加し、回転率も高水準を維持した。
倉庫貨物取扱高は180万4000トン(前年同期比10.5%増)、保管貨物期中平均月末残高は8万5000トン(3.8%減)、陸上運送取扱高は85万6000トン(3.7%増)となった。
国際物流事業は、13年7月に釜山新港(韓国)の合弁会社へ出資、東陽倉庫シンガポール社のヤンゴン支店(ミャンマー)開設など、アジアを中心に物流ネットワークの強化を図った。
農産品の分野で新規荷主を獲得したほか、航空貨物を中心に国際複合輸送の取扱いが増加した。中古車輸出の取扱いは堅調に推移したものの、製造業の海外生産シフトによる影響も大きく、ほかの輸出貨物の取扱いは低調に推移。
港湾貨物総取扱高は172万6000トン(4.3%増)、保管貨物期中平均月末残高は8万8000トン(1.8%減)、陸上運送取扱高は120万7000トン(4.4%増)となった。
今期は、3PL物流とグローバル化、不動産事業の強化を経営方針の柱として取り組み、中部、関東地区で物流施設の増設や拠点の拡充を進める。韓国・釜山新港(韓国)の物流拠点は5月に稼働を開始、タイ物流拠点は8月に稼働する計画で、平行して「チャイナプラスワン、タイプラスワンといった国々の市場調査を進める」としている。
これらの取り組みにより、売上高215億円、営業利益6億4000万円、最終利益4億5000万円を見込む。
[東陽倉庫]2014年3月期連結決算(単位:百万円)
2014年3月期 | 2013年3月期 | 増減 | |
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売上高 | 22,421 | 20,555 | 9.1% |
営業利益 | 731 | 474 | 54.1% |
経常利益 | 793 | 522 | 51.8% |
当期純利益 | 602 | 46 | 45.9% |