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クリフス社への出資比率を20%へ引上げ

豊田通商、インドで変圧器用コア鉄芯製造事業を強化

2014年5月20日 (火)

荷主豊田通商は19日、インド最大の電磁鋼板加工会社「クリフス・パワー・コンポーネンツ」の第三社割当増資を引き受け、持分の買い取りによる追加出資を行い、同社への出資比率を10%から20%へ高めたと発表した。

同国では急速な経済成長のペースに電源などのインフラ整備が追い付かず、電力不足が成長のボトルネックとなっており、電力需要に対して常に10%程度電力が不足している。不足分は輪番停電でカバーしているため、デリーなどの都市部でも停電が常態化。こうした状況を改善するため、国内の電源開発による発電・送電整備が進められており、それに伴って変圧器の需要も拡大するとみられている。

そこで、豊田通商は変圧器のコア鉄芯に使われる方向性電磁鋼板事業を強化するため、インド最大手で年間5万トンの生産能力を持ち、政府系電力会社や大手重電メーカーなどへ影響力を持つクリフス社に追加出資し、インド全域での販売網を確立する。

電磁鋼板の世界需要は年間250万トンで、インドは25万トンを占め、2020年には40万トンへの拡大が見込まれている。同社の電磁鋼板事業は、2002年6月にメキシコで電磁鋼板加工・販売会社を設立し、高いシェアを占めており、インドを第2の海外拠点と位置付け、全土にわたる電力の安定供給を目指す。また、今後はクリフス社を戦略的パートナーとして連携を強化し、アフリカや中東への事業拡大を進める。