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三菱重工と独シーメンス、仏アルストムに共同提案

2014年6月17日 (火)

荷主三菱重工業とドイツのシーメンスは16日、フランスのアルストムに対して事業提携などの共同提案を行ったと発表した。

三菱重工はアルストムと広範囲にわたる事業提携を行い、アルストムの蒸気、原子力タービン事業の40%、同送配電機器事業の20%、同水力発電システム事業の20%を取得し、3つの合弁事業を開始する。これらの合弁事業に関連し、31億ユーロを投入。

また、仏ブイグからアルストムの株式を最大10%取得し、同社の安定的長期株主となる。これらと「多岐にわたる価値創造のための協力合意」により、三菱重工はアルストムと幅広い事業提携を行う。

シーメンスはアルストムのガス発電システム事業すべてを39億ユーロで取得し、移管された事業で、仏・独で3年間の雇用を保証する。シーメンスは欧州で「鉄道機器の王者を創出する」ため、あらゆる機会を活用。フランスにコンバインドガスサービス事業の欧州本部を設置する。

両社はこれらの提案について「アルストムがフランスの大手上場企業として、現在の事業の大部分を保持するとともに、その持続性を向上させ、エネルギーと輸送のグローバルプレイヤーとしての地位と財務基盤を強化することを目的としたもの。アルストムの従業員にとって非常に有益なもので、フランスでの雇用創出にも貢献する」と説明している。

火力発電で強い競争力を持つアルストムと三菱重工の連合は、全世界をカバーし、三菱重工のアジア市場での強みとアルストムの欧州、中東、アフリカ市場の強みを活用する。また、この提携により、フランスでは1000人以上の雇用を創出することが可能となる。

三菱重工は、世界レベルで購買能力の共有化、重要部品の共同調達に取り組むほか、製造技術の最適化、品質・安全管理、ベルフォート工場を活用した生産負荷調整を実施し、大型プロジェクトへの共同参画を検討する。

また、ブイグからアルストムの株式を取得することで、アルストムへのコミットメントを確実にするとともに、同社に強力で安定した事業基盤を提供する。