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GDFスエズ、三菱商事と共同で欧州から着手

日本郵船、船舶LNG燃料供給事業に参入

2014年7月2日 (水)

ロジスティクス日本郵船、船舶LNG燃料供給事業に参入日本郵船は2日、液化天然ガス(LNG)を燃料とする船舶への燃料供給を目的とした世界初のLNG燃料供給船を建造し、GDFスエズ、三菱商事と共同で船舶LNG燃料の販売事業に参入すると発表した。これに伴い、韓進重工業(韓国)と造船契約を締結した。

同社は5月13日にGDFスエズ、三菱商事とLNG燃料供給事業のグローバルな市場開拓で3社の基本合意書を締結、共同事業の第一弾として、LNG燃料供給船の建造、欧州域内でのLNG燃料販売事業へ参画することに合意したもの。

日本郵船、船舶LNG燃料供給事業に参入(2)LNG燃料供給船は16年に竣工する予定で、ベルギーのゼーブルージュ港を拠点にLNGの供給を行う。供給先は、同社グループが3月に発表したユナイテッド・ヨーロピアン・カーキャリアーズ社(ノルウェー・オスロ)のLNGを燃料とする自動車専用船のほか、主に北海・バルト海域を航行するLNG燃料船をターゲットとしていく。

LNG燃料船は現在、北欧でフェリーやクルーズ船を中心に50隻程度が運航されているが、国際的な航行船舶の排出ガス規制強化により、LNG燃料船が有力な対応策になるとみられており、同社は「今回の共同事業により環境負荷が低く付加価値の高いソリューションを提供することになる」としている。

一方、販売に目を向けると重油換算で年間2億5000万トンといわれる船舶用燃料は、LNGへの転換による潜在的な需要規模が大きいものの、広く普及するには供給インフラの整備が大きな課題となっている。LNG燃料供給船は、陸上のLNG施設に比べて多様な顧客や海域へのアクセスが可能なため、LNG燃料販売事業には不可欠な設備とされている。

今後は3社によるパートナーシップを活かし、LNG燃料供給船の共同保有、LNG燃料の販売を行う共同出資会社を設立することにより、まずは欧州での販売体制を確立し、将来的には米国やアジアなどでグローバルな事業展開を目指す。