ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

民事再生断念、TDB調べ

東京地裁、グルメンの破産手続き開始を決定、負債33億円

2014年7月2日 (水)

M&A帝国データバンクは2日、生鮮・チルド食品物流、卸事業を手掛けていたグルメン(東京都港区)が6月26日に東京地裁から破産手続き開始の決定を受けたことが判明した、と発表した。同社は1月24日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、大手スーパーマーケット経営業者のエコスがスポンサー候補として資金提供、資本参加などの経済的支援を行うことを表明。5月30日には、エコス傘下の平成(東京都昭島市)がグルメンの小売事業2店舗、物流事業1事業所を譲り受けていた。

グルメンは1984年7月に設立。生鮮・日配チルド商品などの物流や卸売のほか、スーパーストアの経営を手掛けていた。物流事業では、中小小売店を主力得意先に、生鮮・日配チルド商品・冷凍食品などの物流業務を受託していたほか、物流コンサルティングも請け負い、特に物流はセンターを神奈川県・埼玉県内6か所に展開し、デジタルピッキングシステムなどITを利用した効率的な物流体制を構築、配送自体は外注委託していた。

また、卸売事業では麺類や漬物類、豆腐、総菜、和菓子、塩干物、茶、練製品といった産地直送品の開発・販売のほか、メーカーの余剰在庫・賞味期限間近になった商品など通常の流通ルートに乗らない商品を安価・大量に買い取り、販売を行う「なび市ネット」を運営。リテール事業では、神奈川県を中心に直営店のスーパーストア「アットマート」を展開し、11年3月期には売上高113億9100万円を計上していた。

大手卸売業者の合理化と中堅・小規模小売業者に対する低コスト・高品質の物流サービスを実現する流通拠点再編事業が、農林水産省の「2008年度食品産業強化対策事業計画」に承認されて補助金を受けたほか、経済産業省の「中小企業IT経営力大賞2011」の大賞を受賞するなど、技術・ビジネスモデルは高く評価されていた。

しかし、物流業界の競争激化に伴う単価の下落や燃料費の高騰などから採算が悪化。金融機関に対してリスケジュールを要請していたほか、一部取引先に対しても支払いの遅れが発生、13年3月期には売上高も100億円を割り込み、3期連続の欠損計上を余儀なくされていた。この間、スーパーストア2店舗を閉鎖したほか、13年6月に「なび市ネット」サービスを停止、一部の物流倉庫も閉鎖するなど業容を縮小させていたものの、資金繰りが限界に達し、14年1月24日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。

負債は、債権者約373人に対し33億円。破産管財人は北河隆之弁護士(東京都新宿区)。債権届け出期間は31日までで、財産状況報告集会期日は9月22日午前11時。