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パナソニック、物流現場向けアシストスーツ開発

2014年8月27日 (水)

サービス・商品パナソニック、物流現場向けアシストスーツ開発パナソニックは27日、アクティブリンク(奈良市)、辰巳商会(大阪市)と共同で、物流現場の荷役作業で行われる重量物の上げ下ろし動作に伴う身体負担を軽減する補助器具「アシストスーツAWN-02」を開発したと発表した。機器開発はアクティブリンク、現場での評価実証を辰巳商会が担当した。

AWN-02は、「研究用パワーローダーライト」(PLL-01)から体幹の曲げ伸ばしを補助する機能を取り出した試作機で、体幹の動きを位置センサで検出し、動作意図に合わせて腰部のモータを回転させることで、荷役作業時の腰への負担を軽減するもの。

PLL-01では、腰や脚部などの動作補助のために、腰、ひざ、足首などの複数か所にモーターを配置しているが、これは重作業を支援する上半身部のアシストアームと対象重量物の合計40キロ分を支えた上で動作することを想定したもので、装置の重量やコスト面に課題があった。

新開発のAWN-02では、腰部負担の軽減に特化し、モータの数を左右の腰付近の合計2個に減らすことでコストダウンを実現。設計を大幅に見直し、重量もバッテリーを除いて7キロ台に軽量化した。

さらに、荷物の持ち上げを補助するモードや、上体を保持して荷物の搬送を補助するモードなど、腰部の位置センサで検出した姿勢や動きから、自動で動作モードを切り替えるアルゴリズムを新規で開発した。使用者がスイッチ操作することなく、作業に追従してAWN-02のアシストモードが切り替わる。

アクティブリンクは昨年の夏から、辰巳商会の協力で大阪港物流倉庫で荷役作業者へのヒアリングや実証試験などを実施し、AWN-02の機能を向上させた。実験室での理想的な荷物の上げ下ろし作業では、腰の負担を軽減するだけでなく、作業効率の改善効果も確認した。

今後は、開発品をベースに、労働負担の軽減だけでなく作業効率が求められる物流や農業、工場などの分野で用途開発を進め、2015年度中に量産を開始する。

製品の販売は三井物産、パナソニックを通じて行う予定で、レンタルやリースも含めて広く社会で使用できる方法を検討する。