荷主三井海洋開発(東京都中央区)は8日、子会社のトゥピ社を通じてブラジルの国営石油開発会社「ペトロブラス社」から受注し、建造していたFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)が石油生産を開始した、と発表した。
このFPSOは「FPSO Cidade de Mangaratiba MV24」と命名され、BM-S-11ブロックのイラセマ・スル鉱区の開発に用いられる。同鉱区はペトロブラス社が65%、BGグループが25%、ペトロガル・ブラジル社が10%を出資する3社コンソーシアムが保有している。
ブラジル沖合のサントス盆地に位置するイラセマ・スル鉱区は、海底下5000メートルのプレソルト(岩塩層直下の層)にある巨大油田で、今回稼働を開始したFPSOは、日量15万バレルの原油生産能力、日量2万8000万立方フィートのガス生産能力、160万バレルの原油貯蔵能力を持つ。
三井海洋開発の米国子会社・SOFEC社が設計するスプレッド・ムアリングと呼ばれる係留方法で、水深2200メートルの海上に係留される。ペトロブラス社に対し、20年のチャーターサービスとして提供する。三井海洋開発のブラジル向けプロジェクトでは9基目のFPSO。