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川崎汽船、19億円追徴、国税局指摘に「承服できない」

2011年5月17日 (火)

話題川崎汽船は17日、大阪国税局から19億円の追徴課税などの更正処分を受けたと発表した。同社は「事実認識などについて当社と大きな隔たりがあり、到底承服できるものではない」と反論し、大阪国税不服審判所に対して審査請求を行った。

 

同社は2005年3月期から09年3月期までの事業年度を対象に大阪国税局の税務調査を受け、2010年6月28日に更正通知書を受け取った。更正に伴う所得増差額は総額で約64億円、追徴税額は本税、付帯税を併せて、法人税、事業税、住民税約19億円。

 

同社によると、子会社が造船所と船舶の建造契約を締結した後に、造船所側から、契約時点での「予測を超えた鋼材価格の著しい高騰」という経済情勢を背景に、船舶の価格の値上げを要請されため、再度の交渉を経て契約価格の見直しを合意した。これに対し、大阪国税局は合意が仮装だとして、当初の契約価格と見直し後の価格の差額を否認し、課税所得の計算に誤りがあるとした。この理由を根拠とした更正に伴う所得増差額は約16億円で、今回の更正処分では、この点に限って重加算税の対象にされた。

 

この処分に対し、川崎汽船は「造船会社から船舶価格の値上げを要請されて契約価格の見直しを合意したのは事実であり、合意が仮装だとした当局の事実認定は根拠を欠いた誤ったもの」と反論した上で「重加算税の賦課も根拠がない」と主張している。

 

このほか、同社は海外子会社から船舶を借り受け、用船料を支払っているが、当局は川崎汽船が計上した用船料の一部の損金算入を否認。用船料の一部について、計上時期などの誤りを指摘した。この指摘による所得増差額は、合わせて約48億円。同社では「当社の処理は法令、通達などに照らしても誤りはない」と主張している。