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公取委、4社に排除措置命令、課徴金141億、輸送費上昇が契機

2011年5月27日 (金)

話題公正取引委員会は26日、独占禁止法違反でエアセパレートガスの製造・販売業者である大陽日酸、日本エア・リキード、エア・ウォーター、岩谷産業の4社に対し、排除措置命令を発令するとともに、課徴金合わせて141億485万円の納付命令を行ったと発表した。

 

4社は遅くとも2008年1月23日までに、特定エアセパレートガスの販売価格について、同年4月1日出荷分から、現行価格の10%を目安に引き上げることを合意し、公共の利益に反して我が国における特定エアセパレートガスの販売分野で、実質的に競争を制限していた。

 

排除措置命令書によると、4社による特定エアセパレートガスの販売金額の合計は、国内の総販売金額の大部分を占めていたが、2005年秋頃から07年秋頃にかけて原油価格が上昇した際、特定エアセパレートガスの製造に要する電力費用、輸送に要する費用も上昇し続けていたことから、4社は07年10月頃以降、2社間や3社間で個別に部長級の面談を実施し、特定エアセパレートガスの販売価格などについて情報交換を行った。

 

これを踏まえて同年12月18日に大陽日酸新橋ビル内の会議室で、08年1月23日にエア・ウォーター大阪本社ビルの応接室でそれぞれ4社の部長級会合を開催し、特定エアセパレートガスの販売価格の引上げについて話し合い、遅くとも08年1月23日までに特定エアセパレートガスの販売価格を同年4月1日出荷分から、現行価格より10パーセントを目安に引き上げることで合意した。

 

排除措置命令では、4社はそれぞれ価格引き上げの合意が消滅していることを確認するとともに、今後は自主的に販売価格を決め、価格改定に際して他社と情報交換を行わないことを取締役会で決議するよう求めた。また、決議結果を自社以外の3社に通知し、取り引きがあるその他の同ガス製造業者と販売業者、需要者、自社従業員に対して周知を命令。さらに、自社商品の販売活動に関する独禁法順守についての行動指針の周知徹底、営業担当者に対する定期的な研修と法務担当者による定期的な監査を義務付けた。

 

課徴金は大陽日酸が51億4456万円、日本エア・リキードが48億2216万円、エア・ウォーターが36億3911万円、岩谷産業が4億9902万円で、合わせて141億485万円。