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財務省、復興支援策まとめる

2011年5月30日 (月)

行政・団体財務省関税局と税関は30日、東日本大震災の復興支援策を発表した。支援策は被災地域の復旧・復興の状況を見極めながら、一部を除き当面3年間をめどに実施する。

 

支援策は次の通り。

1.被災地域の貿易活性化(1)岸壁などでの他所蔵置の許可の弾力的な運用
外国貿易船が接岸する岸壁、その背後地一体に包括的な他所蔵置(保税地域以外の場所に外国貨物を置くこと)の許可を与え、個々の貨物に係る手続を簡素化する。
(2)本船扱い、ふ中扱いの弾力的な運用
関税法基本通達に規定されている条件(品目など)に合致しない貨物についても、他の貨物と明確に区画されていれば、本船扱い、ふ中扱い(貨物を保税地域などに入れないで外国貿易船又ははしけなどに積み込んだ状態で輸出入申告をすること)を認めることができるよう弾力的な運用を図る。
(3)閉港基準の適用除外
開港(八戸、宮古、釜石、大船渡、仙台塩釜など)について、閉港基準の適用除外とする。
(4)総合保税地域の許可基準の弾力的な運用
外国貨物の蔵置、加工・製造、展示などの機能を総合的・一体的に活用できる総合保税地域の許可基準の弾力的な運用を図る。
2.被災地域に所在する輸出入者などの事務負担の軽減(1)通関関係書類の電子的提出
輸出入申告に際して提出することとされている通関関係書類のうち、区分1(即時許可扱い)の添付書類の提出を省略するとともに、区分2(書類審査扱い)又は区分3(検査扱い)の通関関係書類を税関に電子的に提出することを可能とする他、FAXによる提出を認めることとする。なお、通関関係書類のうち、税関に対して、原本の提示又は提出が必要な書類については、輸出入許可後に郵送などにより送付することを認める。あわせて、輸出入者などによるNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)の電子インボイス業務の利用を促進する。
(2)税関検査に係る輸出入者などの負担軽減
輸出入者、通関業者の負担を軽減するため、税関職員が可能な限り他所蔵置許可場所などに赴き検査を行う。
(3)事前教示回答書の有効期間の延長
関税分類、関税評価、原産地に係る輸入者などからの照会に対する事前教示回答書の有効期間を延長できることとする。
(4)保税地域の許可期間の更新手続の負担軽減
被災した保税地域に係る許可の期間の更新申請について、事業報告書などの提出を省略し、簡便なもので済むこととする。
3.被災地域での税関手続の弾力的対応の継続(1)利便の良い税関官署での手続
東日本大震災により影響が出ている貨物について、本来の官署で申告を行うことが難しい場合、当該本来の官署が復旧するまでの間、あらかじめ税関に相談のうえ、利便の良い税関官署で手続を行うことを可能とする。(3月13日措置済)
(2)損傷などがあった貨物に係る手続の簡素化
東日本大震災により影響が出ている輸入貨物(輸入予定のもの、輸入許可済みのものを含む)に係る関税・消費税については、貨物に変質又は損傷があった場合には、損傷などの度合に応じて、その関税・消費税が減税又は払い戻しされるが、この手続について、一部書類の提出を省略することを可能とする。(3月12日措置済)
(3)亡失した貨物に係る手続の簡素化
保税地域にある外国貨物が東日本大震災の地震・津波などにより亡失した場合には、警察などの公的機関が発行する証明書の提出がなくても、災害による亡失として、保税地域での貨物の管理者に対する関税の納付義務を免除する(3月14日措置済)。また、保税地域にある外国貨物が大量に亡失していることが想定されることから、亡失の届出について、簡便なもので済むこととする。(4月7日措置済)
(4)保税台帳を紛失した場合の手続の簡素化
保税地域で貨物を管理する者が備え付けることとされている帳簿(保税台帳)が東日本大震災の地震・津波などにより紛失した場合には、帳簿以外の資料などで代用することを可能とする。(4月7日措置済)
(5)保税地域以外の場所に貨物を置くことの申請の簡素化
東日本大震災の地震・津波などにより緊急に外国貨物を保税地域以外の場所に置く必要がある場合は、電話などで税関に連絡すればよいこととする。(3月14日措置済)
(6)原産地証明書の提出猶予
原産地証明書について、災害その他やむを得ない理由(紛失など)のため、輸入申告の際に提出が困難となる場合、提出を猶予することを可能とする。(3月15日措置済)
4.被災地域での申告・納付などの期限の延長など(1)申請などの期限の延長
被災者などが災害のため、期限までに関税に関する関係法令などに基づく申請などを行うことができない場合には、当該期限を延長する(関税法第2条の3)。
(2)被災貨物に対する関税の還付などの手続の簡素化
被災した保税地域から避難した貨物に対する指定地外検査手数料を還付又は免除する(関税法第102条の2第1項第2号、第2項)。
(3)証明書交付手数料の還付又は免除
被災者などが災害のため、紛失、消失または著しく損傷した輸入許可書などの証明書類の交付申請を行った場合には、当該証明書交付手数料を還付又は免除する(関税法第102条の2第3項、第4項)。
(4)保税地域許可手数料の還付、軽減又は免除
被災地域での保税地域の被災状況に応じて、保税地域許可手数料を還付、軽減又は免除する(関税法第102条の2第5項)。