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特種東海製紙、工場内チップ倉庫火災で再発防止策

2015年3月18日 (水)

荷主特種東海製紙は17日、同社島田工場(静岡県島田市)のチップ倉庫で昨年12月31日に火災事故が発生したことを受け、社内外のメンバーによる事故再発防止対策委員会が原因の検証と再発防止対策をまとめたと発表した。

火災は2014年12月31日5時53分頃、島田工場で製紙用原料の木質チップの搬送用コンベア付近から出火していることを確認。搬送用コンベアを伝ってチップサイロへ延焼し、サイロ内にあった木質チップを全焼したため、鎮圧までに84時間(83時間39分)、鎮火までに130時間(129時間7分)を要し、長期にわたって工場周辺に煙、臭いを充満させる事態となった。

この結果、チップサイロ4816平方メートルと保管していた木質チップ4300トンが全焼、直接的な被害額は6億800万円となった。

再発防止対策委員会は、現場の検証などを実施した結果「チップ搬送用コンベア点検窓取替工事に起因する火種が、角度調整板の裏側に堆積したチップダストに着火したことが火元」と推定。火種の可能性としては、「溶接部裏側の溶接垂れの飛散」「新しい点検窓溶接時の火花の飛散」「既設点検窓切除時のサンダーによる火花の飛散」の3つが考えられるとしたが、火種を特定するには至らなかった。

再発防止策としては、チップ搬送用コンベアを「火気使用禁止区域」に変更するとともに、リスクアセスメントを実施し、全面的に火気使用区域、火気使用条件の見直しを図ること、点検項目をより具体的で厳格化した火気使用チェックシートを運用することなどを提言した。

委員会のまとめを受け、同社は役員報酬の一部返上を決めるとともに、「事故原因の公式見解が出た時点で報告を再度点検・見直す」としている。