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4-6月期はやや改善

1-3月のトラック運送景況感が9P悪化、全ト協調べ

2015年5月18日 (月)

ロジスティクス全日本トラック協会が15日に発表した、1-3月期のトラック運送業界の景況感速報によると、昨年同期比で輸送量が減少し、景況感の判断指数は-28.3となって前回の-19.2から9.1ポイント悪化したことがわかった。

昨年の1-3月期は消費税増税前の駆け込み需要で物流量が急激に増加し、景況感の判断指数もプラス水準となっていた。今回は保有車両台数別で大規模事業者が17.7ポイント、小規模事業者は15.6ポイントの悪化となるなど、すべての規模で悪化傾向にあった。

4-6月期の判断指数は、今回から1.5ポイント改善の-26.8を見込んでいる。

■一般貨物、営業収入の判断指標14.4P悪化
一般貨物では、輸送数量を減少が38%、増加が19.6%で、判断指標は-24.7となり、前回(-7)から17.7ポイント悪化した。営業収入を減少とする事業者は38.4%、増加が24.6%で、判断指標は-20.9となり、前回(-6.5)から14.4ポイント悪化。営業利益は減少が35.9%、増加が26.9%で判断指標は-15となり、前回(-14.5)から0.5ポイント悪化した。

4-6月期は輸送数量がわずかに改善、営業収入はほぼ横ばい、営業利益はわずかに悪化の見込み。

■特積貨物の輸送量29.4P悪化
宅配貨物は輸送数量は減少が54.9%、増加が9.7%で、判断指標は-51.6となり、前回(-35.7)より15.9ポイント悪化。営業収入は減少が58.1%、増加が9.7%で、判断指標は-54.8となり、前回(-42.9)よりも11.9ポイント悪化した。営業利益は減少が51.7%、増加が6.4%で、判断指標は-48.4となり、前回(-39.3)から9.1ポイント悪化した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が59.7%、増加が17.7%で、判断指標は-51.6となり、前回(-22.2)から29.4ポイント悪化。営業収入は減少が38.7%、増加が24.2%で、判断指標は-24.2となり、前回(-7.4)から16.8ポイント悪化した。営業利益は減少が32.3%、増加が29%で、判断指標は-9.7となり、前回(-5.6)から4.1ポイント悪化した。

4-6月期は宅配貨物が輸送数量、営業収入、営業利益は改善の見込み。宅配以外の特積貨物、輸送数量、営業収入が改善するものの、営業利益はわずかな改善にとどまる。

■運賃・料金水準、特積の悪化目立つ
運賃・料金水準は、一般貨物が10.3(前回11.9)と1.6ポイント悪化、宅配貨物は-6.5(前回-7.1)と0.6ポイント改善、宅配以外の特積貨物は24.2(前回42.6)から18.4ポイント悪化となっている。

4-6月期は、一般貨物がやや低下、宅配貨物が改善、宅配以外の特積貨物は低下の見込み。

■労働力不足感やや緩和
実働率は-19.2(前回-6.4)と12.8ポイント悪化、実車率は-17.5(前回-1.6)となり、15.9ポイント悪化となった。雇用状況(労働力の過不足)は61.4(前回69.9)と8.5ポイント低下し、不足感が弱くなった。

採用状況は-3.6(前回-2.6)で指標は1ポイント悪化し、所定外労働時間は-19.7(前回-1.2)と18.5ポイント減少している。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は-16.1(前回-3.8)で12.3ポイント減少となった。経常損益は-5.3(前回-5.9)となり、指標は0.6ポイント改善となった。

4-6月期は実働率、実車率がほぼ同水準、雇用状況は指標の水準を上げ、不足感が強まる見込み。採用状況は指標の水準を下げ、所定外労働時間がわずかに水準を上げる見込み。貨物の再委託水準はほぼ横ばい、経常損益はやや指標の水準を下げる見込み。

■建設関連の悪化際立つ
事業者の規模別では、大規模事業者が-35.4(前回-17.7)と17.7ポイント悪化、中規模事業者は-23.1(前回-21.9)となり、1.2ポイント悪化、小規模事業者は-32.1(前回-16.5)と15.6ポイント悪化となっている。

一般貨物の主な取扱い品目別では、消費関連貨物が-17.5(前回-6.9)と10.6ポイント悪化しており、建設関連貨物は-46.7(前回-25)と21.7ポイント悪化している。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、中部、四国で大きく水準を下げている。他方、東北、中国では水準が上昇している。

4-6月期は規模別で大規模事業者が改善、中規模事業者はほぼ横ばい、小規模事業者ではやや低下の見込み。

取扱い品目別では建設関連貨物、その他貨物がほぼ横ばい、消費関連貨物はやや水準を上げ、機械関連貨物はやや低下する。

地域別では、北海道、関東で水準を上げ、東北、中国、九州では水準が低下する見込み。