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川崎重工、舶用エンジン向け低環境負荷システム完成

2015年5月22日 (金)

荷主川崎重工業はこのほど、舶用ディーゼル主機関から排出される窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)などの大気汚染物質を複数の環境対応技術の組み合わせによって削減するシステム「K-ECOS」を自社開発し、神戸工場で完成させた。

さらに、K-ECOSを2サイクルディーゼル機関(7S60ME-C8.2)に搭載して試運転を実施し、その性能を確認した。

国際航海に従事する船舶からのNOx排出量は、国際海事機関(IMO)により段階的に規制されている。舶用ディーゼル機関からのNOx排出量は、2011年から適用されている2次規制下では1次規制値比で15-22%の削減が義務付けられており、16年からは3次規制として、指定規制海域で80%(1次規制値比)のNOx排出量の削減が義務付けられる。

K-ECOSは、舶用ディーゼル主機関の過給機カット運転、水エマルジョン燃料、排気再循環(EGR)を組み合わせたシステムで、2次規制海域の航行中は過給機カット運転による燃費向上、水エマルジョン燃料によるNOx排出量削減の効果で燃料消費量、CO2排出量を大幅に削減する。

また、3次規制海域を航行する際は、EGRを追加することで、2次規制対応機関と比較し、燃料消費量、CO2排出量を増加させることなく、NOx排出量を3次規制値まで削減する。

K-ECOSは、同社が製造する2サイクルディーゼル機関に搭載され、川崎汽船が進める次世代環境対応「ドライブグリーンプロジェクト」の一環として、ジャパンマリンユナイテッドが建造する大型自動車運搬船(15年度末引き渡し)の主機として、2年間の実船試験を行う。