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最多の削減策は「積載率向上」

物流コスト比率4.7%、JILSが最新調査結果を公表

2015年6月22日 (月)

財務・人事日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は19日、2014年度の物流コスト調査の結果を発表した。全業種を対象とした売上高物流コスト比率は4.7%で、前年度から0.07ポイント下がった。

(出所:日本ロジスティクスシステム協会の資料を基にLogisticsToday編集部が作成)

(出所:日本ロジスティクスシステム協会の資料を基にLogisticsToday編集部が作成)

売上高物流コスト比率は長期的に低下傾向にあるが、近年は5%弱の水準で推移。13年度の物流コストを調査対象とした14年度調査では4.7%となった。

JILSの分析によると、13年度は燃料価格が上昇傾向にあったことでコストアップが進んだ一方、円安の進展や消費税増税による駆け込み需要が発生。これらにより、製造業などの業績が好調で増収企業が増えたことから、売上高に対する物流コスト比率が低下した可能性が高い。

業種別にみると、製造業は「窯業・土石・ガラス・セメント」の売上高物流コスト比率が最も高く、8.7%となった。卸売業は食品飲料系の6.81%、小売業では通販の12.39%が最も高い値を示した。

(出所:日本ロジスティクスシステム協会)

(出所:日本ロジスティクスシステム協会)

■リバース物流コスト比率が上昇
また、物流コストに占めるリバース物流コストの割合は3.64%で、前年度から1P近く上昇した。

このうち返品・返送物流費は2.17%、回収物流費は0.87%、廃棄物流費は0.26%、リサイクル物流費は0.15%で、02年度から14年度の推移は年度によってブレがあるものの、ほぼ3-4%のレンジで推移している。

リバース物流コストは返品による物流コスト比率の高い出版取次会社などの回答社数によって平均比率が大きく影響を受けるが、08年度から11年度、13年度から14年度の比率上昇はこうした要因によるものだという。

■米国の14年売上高物流コスト比率は1P近い上昇
米国のミクロ売上高物流コスト比率は13年の8.41%から14年は9.34%へと上昇。マクロ物流コストは日本の43.5兆円(12年)に対して米国では1兆3310億ドル(同)となっており、日米ともにリーマン・ショック前の水準に近づいてきている。

■物流コスト削減策、最多は「積載率向上」
過去1年間に各コスト削減策を実施した企業数199社の取り組み内容で最も多かったのは、「積載率の向上」(60.3%)で、「保管の効率化」「在庫削減」「物流拠点の見直し」などが続いた。