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三菱自動車、米国生産から撤退し岡崎工場に集約

2015年7月27日 (月)

荷主三菱自動車工業は27日、米国生産事業からの撤退方針を発表した。子会社のミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ(カリフォルニア州サイプレス市)がアウトランダー・スポーツ(日本名「RVR」)の生産を11月末で終了し、生産を岡崎工場に集約する。

生産終了に伴い、米国子会社は全米自動車労働組合(UAW)の支援を得ながら、買い手探しを行う。

三菱自動車の米国生産事業は、1988年にクライスラー社との合弁会社「ダイヤモンド・スター・モーターズ」(DSM)として稼動を開始。その後、91年にクライスラー社が持つ株式をすべて買い取り、三菱自動車の工場として生産を続けてきた。

00年には生産台数が22万2000台を超えたが、その後、クライスラー社向けOEM生産の終了したほか、リーマンショックの影響も重なって09年には18万5000台と大きく落ち込んだ。

12年からは、アウトランダー・スポーツの生産を開始し、北米向けのほかにロシア・中近東・中南米向の生産も行うことで、生産効率向上、生産台数・稼働率引き上げを図ってきた。

北米市場の市場回復もあって生産台数は13年に7万台まで伸びたが、完成車組立工場の規模としては小規模で、生産台数の3分の1を占めていたロシア向け輸出が14年度後半からの需要低迷で大幅に減少し、生産台数が一段と落ち込む事態となった。

三菱自動車ではこうした状況を踏まえ、米国での車両生産を終了して岡崎工場に集約し、日本からの輸出に変更する方針を固めた。米国向けの車両は今後、日本とタイから製品供給を継続する。