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農水省、ヤマト・イオンなどの香港向け宅配後押し

2015年8月11日 (火)

ロジスティクス農林水産省は11日、農林水産物の輸出1兆円目標の達成に向けた取り組みの一つとして、頒布会宅配方式による香港への国産農林水産物の輸出モデルを事業化すると発表した。

(出所:農林水産省)

(出所:農林水産省)

農水省では、市場規模の拡大が見込まれるアジアで、輸出環境が有利で物流ネットワークが整備されている香港を対象と想定し、「旬で高品質な食品を新鮮さという強みを失うことなく、まとめて輸送する」ことで、より低コスト化の可能性がある「頒布会宅配方式による国産農林水産物の輸出モデル」を昨年10月から検討していた。

具体的には、香港で日系最大の小売販売網とカード会員を持つイオングループ、全国各地から農産物などの調達能力を備える全国農協食品、沖縄国際物流ハブを活用し、日本から香港の消費者に翌日宅配可能な物流ネットワークを構築したヤマト運輸・ANAカーゴ――の参画を得て検討し、まず、宅配予約販売方式で事業化することにした。

今後、4社は予約販売だけでなく定期的定量的販売が可能となる頒布会方式に拡大することを視野に入れており、農水省がこの取り組みを新たな事業モデル事例として紹介、取り組みの横展開を図る。

4社は8月13日からウェブサイトで予約を開始し、段階的に注文に応じて旬の時期に香港の消費者に宅配する。イオンダイレクトがWEBサイトの構築と販売、イオン香港との協業によるPR・販売促進、現地での国産農産物の安全性PRを担う。

全国農協食品は国産米、生鮮果物などの調達、ヤマト運輸が国内産地から近隣地方空港までの陸送、国際クール宅急便による香港市内の消費者への宅配、ANAカーゴが沖縄国際物流ハブを活用した全国の空港から香港までの空輸――を担当する。

北海道産メロン、山形県産白桃・メロン・りんご、青森県産りんご、長野県産りんごなどの果物、長崎県つや姫、新潟県産こしひかりなどの国産米のほか、香港でニーズの高い乾燥なまこやアワビといった日本食材を春節前に展開する。

8月13日に開幕する「フードエキスポ2015香港」で販売対象となる果物の試食を行うとともに、チラシ、パンフレットを香港の来場者(消費者)に配布し、加入促進につなげる。