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新日鉄住金

大型コンテナ船用「亀裂に強い」厚鋼板で船級承認

2015年9月16日 (水)

環境・CSR新日鉄住金は16日、大型コンテナ船用で亀裂に強い保証付き厚鋼板の船級承認を世界で初めて取得したと発表した。

亀裂が入った際に、亀裂が停まる脆性亀裂伝播停止特性(BCA)と、鋼材そのものに亀裂が入らないようにする脆性亀裂発生特性(CTOD)両方の特性を併せ持つ鋼材として、DnV-GL船級協会から5月に承認を得た。

この鋼材は、大型コンテナ船の重要部材に使用される降伏強度390N(1平方メートルあたり)、引張強さ510Nの高強度厚鋼板で、最大板厚は100ミリ。

大型コンテナ船用「亀裂に強い」厚鋼板で船級承認

溶接部などに潜在的に存在する欠陥から船体に脆性亀裂が発生した場合でも、同部位で亀裂を停止させることができ、脆性亀裂発生への抵抗を高めた。これにより、コンテナ船の安全性をより高い次元で実現するとともに、国際船級協会連合(IACS)が規定する厳格検査プロセスの簡素化を図ることができる。

コンテナ船は1970年代に比べて10倍もの大型化が進み、重要部材に使われる鋼板の板厚も急激に厚くなっている。一方で2005-06年の日本海事協会の研究などで、板厚が厚くなると脆性亀裂が発生した場合、亀裂が船体を貫通する危険性があることがわかった。

これまで、大型コンテナ船の建造で使用する船体用圧延鋼材や溶接部の検査に特別な規定はなかったが、13年にIACSがコンテナ船の重要部材への脆性亀裂伝播停止特性を高めた高アレスト鋼(BCA鋼)適用と、船舶建造時の溶接部超音波探傷検査方法に、これまで実施されてきた検査方法より厳しい検査法の適用を規定化。14年以降の契約船に適用されることになっている。