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トラック1000台、川上から川下までサプライチェーンカバー

三井倉庫HD、足回り強化へ丸協運輸買収

2015年11月4日 (水)

M&A三井倉庫ホールディングスは4日、関西を地盤にトラック1000台と倉庫事業を展開する丸協運輸(大阪府寝屋川市)とその子会社5社を総額100億円で買収すると発表した。

丸協運輸グループの売上規模は買収対象の6社合計で250億円程度とみられ、三井倉庫グループが自社車両でこの規模のトラック運送業務を行う事業会社を所有するのは初めて。これにより、人手不足が深刻化している運送機能の強化を図るとともに、サプライチェーンの川上から川下までの物流をワンストップで提供できる体制を整える。

丸協グループは、トラックを1000台強保有し、関西・西日本を中心に全国で運送業と倉庫業を展開。三井倉庫HDは丸協運輸の買収に合わせて、丸協グループを統括・管理するための新会社「三井倉庫トランスポート」を設立し、同社グループの7番目の事業会社として位置付ける。

三井倉庫グループでは、4月にソニーグループの物流子会社だった旧ソニーサプライチェーンソリューション(現三井倉庫サプライチェーンソリューション)を買収し、メーカー物流を強化。従来から強みとしていた保管・3PL事業に丸協運輸グループの実運送機能を加えることで、川上から川下まで継ぎ目なく物流機能を提供できるようにする。

丸協運輸グループは全国に運送拠点を展開しているが、関西・西日本を中心とした配置になっているため、統括新会社の三井倉庫トランスポートは大阪市北区梅田に本社を置く。今後は、東日本エリアの輸配送機能強化が課題となってくる。

三井倉庫トランスポートは丸協大阪、丸協愛媛など丸協グループ6社の発行済み株式すべてを12月18日付で取得する。取得額は丸協大阪が60億円、丸協愛媛が30億円で、残る4社合わせて10億円程度となる見込み。

直近の業績(2015年3月期)は、丸協大阪が売上高158億3900万円、営業利益3億6700万円、最終利益3億4600万円、丸協愛媛がそれぞれ86億8700万円、3億1400万円、2億3400万円となっている。

三井倉庫HD、足回り強化へ丸協運輸買収