東レ、B777X向け炭素繊維供給で長期契約

荷主東レは9日、米国ボーイング社に新型機「777X」プログラム向けの炭素繊維「トレカ」と「トレカ」プリプレグを供給する包括的長期供給契約を正式に締結したと発表した。

2005年11月に締結した包括供給契約を15年からさらに10年以上延長するもので、今後の「787」「777X」両プログラム向けの契約期間で、同社グループの供給総額は1.3兆円（110億ドル）を超える見込み。

これに合わせて東レは、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ郡の新規事業用地で500億円を投じ、原糸（プリカーサ）から焼成まで一貫の高性能炭素繊維トレカ生産設備（年産能力2000トン）、炭素繊維トレカを使用したプリプレグ（炭素繊維樹脂含浸シート）の生産設備を新設する。

同社は新規事業用地で、20年までに1000億円規模を投じ、米国で炭素繊維複合材料事業の拡大を図る計画で、今回の投資はその第一弾となる。

プリカーサから炭素繊維トレカ、トレカプリプレグまでの一貫生産設備を米国で建設するのは初めてで、17年5月以降、プリカーサから段階的に生産を開始し、ボーイング社向けトレカプリプレグの供給開始は認定取得完了後の19年とする。