ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

運輸安全委、姫路沖タンカー爆発事故の報告書公表

2015年12月17日 (木)

調査・データ運輸安全委員会は17日、兵庫県姫路港の南方沖で昨年5月29日に発生した油タンカーの爆発・沈没事故に関する報告書を公表した。

この事故は、油タンカー「聖幸丸」が姫路港南方沖で錨泊して整備作業中だった2014年5月29日9時20分ごろ、貨物油タンクが爆発・炎上したもので、船長ほか7人が乗り組んでいたが、船長が死亡、乗組員4人が熱傷などの重傷を負い、貨物油タンク、上甲板、船首部などに破損、焼損を生じて18時59分ごろ沈没した。

爆発の原因は錨泊中に船長がバーナーを使用してサビ落とし作業を行い、その火炎が混合ガスに着火し、爆発したとみられる。船長と一航士が原油を揚げ荷してから事故までの間、ガスフリー作業を行わず、タンク内で爆発範囲の混合ガスが形成されていた。また、ハッチカバーも開放された状態にあり、船長がハッチ付近でバーナー作業を行っていた。

報告書で運輸安全委は「作業場所や周辺のガス検知作業を行わなかったことは、事故の発生に関与した可能性がある」との見方を示したほか、「こうした複数要因の背景には、タンカーの船上で高熱作業を行う際の安全に対する意識が十分でなかった可能性がある」と指摘した。