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運輸安全委、JR貨物江差線事故で報告書・意見表明

2015年12月17日 (木)

調査・データ運輸安全委員会は17日、江差線で2012年4月から14年6月までに発生した3件の貨物列車脱線事故について、残る2件の事故調査報告書を公表した。

3件の事故すべてに「貨物列車が比較的急な曲線を制限速度に近い速度で走行中に、貨車の外軌側車輪がレールに乗り上がり脱線した」点で共通していると指摘したうえで、石井啓一国交相への意見で、報告書と同委の意見を鉄道事業者、利用運送事業者、車両メーカーに周知するよう要請した。

2012年9月11日に発生した事故について「調査過程で収集した情報のみからでは、軌道・車両ともに基準などに則った状態であり、脱線の原因が明確には見出し難く、原因究明が極めて困難な状況で調査を進めていた」と説明。

調査をすすめるなかで14年6月22日に3件目の事故が発生したことから、運輸安全委員会では「軌道・車両の外部専門委員の助力を得て、両事案、軌道・車両・積荷の積載などの因子を複合的に組み合わせた多角的な調査を行った」と、調査が困難を極めたことに言及。

この結果、事故の原因関係者だけでなく、鉄道貨物輸送にかかわる全国の旅客鉄道事業者、車両管理、運転などを担う貨物鉄道事業者、貨車を製作する鉄道車両メーカー、貨物の積載を担う貨物利用運送事業者――といった関係者に広く周知し、荷主や研究機関を含めた関係者が連携・協調して検討を深めることが「同種の貨物列車の脱線事故の再発防止を図る上で、必要」だと指摘した。

■報告書の詳細
1回目の事故:http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2014-7-2.pdf
2回目:http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2015-9-2.pdf
3回目:http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2015-9-3.pdf