ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

上組、J-オイルの飼料にほかの荷主の飼料混入し出荷

2015年12月28日 (月)

事件・事故J-オイルミルズは28日、同社が製造した飼料用脱脂大豆のうち、上組の鹿島支店倉庫(茨城県神栖市)を経由して出荷した「遺伝子組換え分別脱脂大豆」(ノンGMO脱脂大豆)が、倉庫内で誤ってJ-オイルミルズとことなるメーカーの不分別脱脂大豆(GMO脱脂大豆)と混入して出荷されていたことが判明した、と発表した。

(出所:J-オイルミルズ)

(出所:J-オイルミルズ)


J-オイルミルズと上組は、出荷先の飼料メーカーに対し、状況を説明するとともに、回収と代替品の出荷を行っている。出荷先は鹿島近郊の飼料メーカー7社。誤って混入された不分別脱脂大豆について、J-オイルミルズは「国内で飼料用としての安全性が認められ、使用した食品の安全性には問題ない」と説明している。

J-オイルミルズ静岡工場は7月23日と9月1日に、上組鹿島支店の倉庫に飼料用遺伝子組換え分別脱脂大豆を納入。上組鹿島支店の倉庫から9月29日から12月21日にかけて、「JOM IP大豆ミール」(飼料用、製造販売者はJ-オイルミルズ)を509トン出荷したが、このうち不分別脱脂大豆が128トン混入していたとみられる。

12月17日に出荷先の飼料メーカーからの指摘で、J-オイルミルズの納入製品に不分別脱脂大豆が混入していたことが判明した。J-オイルミルズは翌18日に自社内と上組への調査を開始。21日にJ-オイルミルズ内で不分別脱脂大豆の混入がなかったことを確認し、上組への調査でこの品に粉砕が加えられていた事実を把握した。

こうした経緯から、J-オイルミルズは上組で行われた粉砕プロセスで「混入が疑われる」と判断し、鹿島支店倉庫からの出荷停止を指示。調査の結果、23日にJ-オイルミルズから寄託をうけた製品に対し、上組がJ-オイルミルズとの契約にはない工程(粉砕)を報告なく加えていたことと、その工程で、人的操作ミスによりJ-オイルミルズの製品ではない不分別脱脂大豆が混入したことがわかった。

J-オイルミルズと上組は、取引先(出荷先)に対する説明と今回の事態による損害について「個々に誠意を持って対応させてもらう」としている。J-オイルミルズは今後、取引先に対する説明を続けるとともに、寄託先への管理強化を徹底。

上組は、入庫から出荷までの工程の全面的な見直し、従業員教育の再徹底を行う。