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犬山市の9台多重追突事故で事故調「睡眠不足原因」

2016年2月17日 (水)

調査・データ国土交通省は17日、愛知県犬山市の国道で2014年11月27日に発生したタンク車の追突事故に関する事業用自動車事故調査報告書を公表した。

▲事故状況図(出所;国土交通省)

▲事故状況図(出所:国土交通省)

(出所:国土交通省)

(出所:国土交通省)

この事故は14年11月27日、犬山市の国道41号線で、ガソリンなどを積載したタンク車が走行中、交差点手前で乗用車に追突したことを発端として、合わせて9台の多重追突事故が発生したもの。関係した車両の運転者6人、同乗者3人の合わせて9人が軽傷を負い、タンク車のタンクが損傷、積載していたガソリンなど6000リットルが路上に漏洩した。

事故原因について、自動車事故調は「タンク車の運転者が、疲労と睡眠不足で集中力が低下している状態で、休憩場所を探しながら走行していたことにより、赤信号で停止しようと減速していた乗用車に気付くのが遅れ、追突した」と指摘。

運転者は睡眠不足で疲労が残っていたことを点呼の際に申告せず、運行管理者が疲労の度合いを把握できていないまま運行の可否を決めていたことと併せて、事故につながった可能性が考えられるとの見方を示した。

自動車事故調では、運行管理者が取り組むべき再発防止策として、(1)運転者に輸送の安全を委ねていることを認識し、点呼で運転者の健康状態を把握し、安全な運転が可能か否かを判断する(2)長距離運行の場合に、休憩場所について適切な情報を提供する――ことが重要だと指摘。

さらに、運転者が疲労を自覚したまま運転することは、事故を起こす危険性が高いことから、事業者に対し「運転者に休息期間で疲労を十分回復させるように取り組むことを指導する」「運転者が点呼で疲労状態を報告しやすいように職場環境を整備する」ことを求めた。