センコー、ビッグデータ活用や社内大学設置へ機構改革

ロジスティクスセンコーは25日、社内大学「センコーユニバーシティ」の設立に向けた準備業務担当や、グループ横断的な不動産開発を行う新会社の設立に向けた専任部署の設置など、4月1日付で実施する機構改革の内容を発表した。

同社は2016年7月に創業100周年を迎えるが、「次の100年に向けた事業展開を確かなものにしていく」ため、センコーユニバーシティ設立担当を設置し、グループの事業領域で最先端のナレッジとスキルを備える人材を戦略的に育成する社内大学設立の準備に入る。

また、経営戦略室にセンコー・リアルティ設立準備室を設け、中長期的な観点でエリア戦略に基づいた拠点を展開し、グループ横断的な不動産開発を行う新会社の設立に備える。

日本で就労を希望する外国人に対し、就職の斡旋や生活環境の改善など、包括的な就業支援を行う新事業を進める組織として、経営戦略室に外国人就労支援準備室を新設する。

さらに、サプライチェーン間競争で物流業の優位性を生かし、ビッグデータを活用した物流ネットワークシステムを構築して生産性の向上、原価低減、販売促進、新事業創出への活用を研究・推進するため、ビッグデータプロジェクトを設置する。

機構改革ではこのほか、人材教育部に教育担当を設置して人材開発グループを発展的に解消し、安全品質環境管理部の安全管理グループと健康推進グループを統合して組織運営の効率化を図る。社長室の下に設置している施設管理グループについては、センコー・ファシリティーズに業務を移管したことから廃止し、本社管轄の遊休不動産管理に限って社長室が担う。海外では、ASEAN地域の事業展開と管轄エリアの拡大に伴い、タイ事務所をASEANエリア事務所に名称を変更する。

営業機構では、新事業の創出と新たな事業領域への参入を成功させるために、ライフサポート事業推進本部を設置し、管下に事業企画室、ホテル事業準備室、ライフサービス事業推進部、リビングサービス事業推進部、農業ビジネス事業推進部、プランニング事業推進部の6部室を配置する。

これに伴い、ライフサポート事業プロジェクト担当、農業事業化プロジェクト担当は、ライフサービス事業推進部と農業ビジネス事業推進部が機能を担うことになるため廃止。ロジスティクス営業本部引越営業部はリビングサービス事業推進部に包含し、発展的に解消する。

九州地区の量販系荷主向け業務の拡大やエリア営業の強化を図るため、ロジスティクス営業本部内に九州営業部を新設。ケミカル物流営業本部では、石化樹脂、液体原料や燃料など原料系の営業を中心としたケミカル物流第1営業部をケミカル物流営業部に、ケミカル系原料を素材として加工された成形品の営業を中心としたケミカル物流第2営業部を成形加工品物流営業部に、それぞれ名称変更する。

ファッション物流営業本部では、アパレル・百貨店といった業態にかかわらず、地域単位の顧客対応を進めていくため、アパレル物流営業部を東日本営業部、百貨店物流営業部を西日本営業部に名称変更する。

九州では支店・グループ会社間で重複する拠点を統合し、組織の効率化と管理体制の強化を進めて地域密着化による業務拡大を図るため、九州主管支店と東九州主管支店に再編。延岡支店と南九州支店を統合し、東九州主管支店とする。南九州支店の熊本営業所は、九州センコーロジに移管。北九州支店は、九州主管支店から東九州主管支店へ管轄を変更し、延岡業務センターは東九州業務センターに名称変更、東九州主管支店と北九州支店を管轄。

このほかの地方組織では、浜松を中心とした量販系物流の効率化、売上拡大、名古屋主管支店との連携を強化するため、静岡支店を名古屋主管支店の管轄内へ編入。東東京支店を発展的に解消し、東京主管支店に統合する。

関東では、厚木地区で新センターの稼働に向け、運営会社として西関東センコーロジを設立。埼玉センコー運輸整備を埼玉センコーロジサービスと埼玉南センコーロジに分社化し、それぞれの地域の拡大計画へきめ細かく対応することで、事業の拡大を目指す。埼玉センコーロジサービスは杉戸、久喜、蓮田、伊奈、加須の5地域、埼玉南センコーロジは戸田、浦和、狭山、越谷の4地域を管轄する。

センコー引越プラザは引越のノウハウを生かした住居関連サービス、施設移転ビジネスに主軸を置いた新サービスを提供する会社として、センコーリビングプラザに社名を変更する。これらの機構改革に伴うものを含め、同社が4月1日付で実施する役員・幹部社員人事は次の通り。