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キャセイ航空、15年度の貨物事業売上高9%減少

2016年3月10日 (木)

ロジスティクスキャセイパシフィック航空が9日発表した2015年度通期(1-12月)決算は、純利益が前年度の31億5000万香港ドルを上回る60億香港ドル(850億円)となった一方、貨物需要は4-6月に落ち込み、下期に入っても弱含みで推移した。

貨物事業の売上高は、主に燃料価格の下落に伴う燃油サーチャージの減少により、前年比9%減の231億2200万香港ドルにとどまった。キャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空を合わせた貨物輸送能力は5.4%増加した。

平均貨物専有率は64.2%と前年から0.1%ポイント下がり、外国為替の動きが不利に働いたことや燃油サーチャージの減少が押し下げ要因となって、貨物1トンを1キロ輸送することで得る平均貨物単価は13.2%減の1.9香港ドルとなった。

米国西海岸の港湾ストライキの影響で15年1-3月の航空貨物需要は好調だったが、通期では欧州路線を中心に弱含みで推移した。

貨物専用便のネットワークと輸送量は需要に応じて調整され、キャセイパシフィック航空が15年3月にコルカタ線を開設し、北米、インド路線を増便した。

同社のジョン・スローサー会長は、今後の貨物需要について「業界全体の供給過多に大きな影響を受けることになるだろう」と述べ、厳しい見通しを示している。