ロジスティクストランコムが27日に発表した前3月期決算は、主力の物流情報サービス事業とロジスティクスマネジメント事業がともに11%超(前期比)の増収となったことを受け、全体でも10.1%の増収を確保、営業利益も8.3%伸ばして増収増益となった。直近3か月(1-3月期)は営業利益が5.1%の減少に転じており、収益力が鈍りつつある。
2016年3月期本決算 |
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累計(百万円) | (前年同期比) | 対売上高利益率 | 直近3か月(百万円) | (前年同期比) | |
売上高 | 126,244 | 10.1% | 31,119 | 5.5% | |
営業利益 | 6,017 | 8.4% | 4.8% | 1,377 | -5.1% |
経常利益 | 5,983 | 9.4% | 4.7% | 1,360 | -5.3% |
当期純利益 | 3,639 | 24.4% | 2.9% | 818 | 66.6% |
物流情報サービス事業は、国内の荷動きが停滞する中、取り扱い貨物情報数が微増にとどまる一方、空車情報数は大幅に増加。「蓄積された膨大なデータを瞬時に分析できるツール」の機能拡充と定着により、業務の効率化やの顧客サービス向上を進めたほか、中量貨物の混載サービス、ドレージ輸送サービスなど新たな輸送モードの確立に注力した。
この結果、順調に成約件数を伸ばし、同事業の売上高は11.3%増の686億8100万円。新たな輸送モード確立に向けた初期費用の計上などがあったものの、増収効果がコストを吸収し、営業利益は9.6%増の27億6300万円となった。
ロジスティクスマネジメント事業は、既存拠点での物量が増加したほか、新規稼動拠点が寄与し、売上高が11.4%増の460億2200万円に拡大。既存拠点の収益力が高まり、増収効果もあって物流業務システムの保守体制強化に伴う費用、今期立ち上げる拠点の初期費用を吸収。営業利益は17.6%増の31億1100万円となった。
前期微増にとどまった貨物情報数の確保に向け、今期は物流情報サービス事業でメーカー、物流子会社を中心に営業活動を強化。インダストリアルサポート事業で採用力の強化と退職者の抑制に取り組み、3本目の柱へ成長させる。海外展開では中国で物流ノウハウを習得し、中長期的な東アジア展開につなげる。
これらの取り組みにより、売上高1331億3000万円(5.5%増)、営業利益63億4000万円(5.4%増)、経常利益62億6000万円(4.6%増)、最終利益42億円(15.4%増)を見込む。