ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)が28日に発表した前3月期決算は、コンテナ列車の積載率が統計が残る2000年以降、初めて80%を突破し、定時運行率も過去3年間で最高の94.4%を記録し鉄道事業が大幅に改善、関連事業も堅調に推移し、全体の売上高が1911億7500万円(2%増)に達した。営業利益は51%増の98億5900万円となった。
日本貨物鉄道 | 2016年3月期本決算 |
||||
---|---|---|---|---|---|
累計(百万円) | (前年同期比) | 対売上高利益率 | 直近3か月(百万円) | (前年同期比) |
|
売上高 | 191,175 | 2% | -- | -- | |
営業利益 | 9,859 | 51.0% | 51.4% | -- | -- |
経常利益 | 7,224 | 60.9% | 37.7% | -- | -- |
当期純利益 | 5,499 | -38.1% | 28.7% | -- | -- |
鉄道事業はコンテナ輸送収入が42億円増の1183億円となり、車扱輸送の2億円減を吸収。品目によってバラつきが出たものの、特に積み合わせ貨物を積載するコンテナ輸送が大きく伸び、同事業の営業損失は17億円改善して33億円の赤字となった。
3年後に定める経営自立計画の達成に向け、今期は赤字要因となっているオフレールステーション(ORS)、臨海鉄道、車扱輸送について「関係者と踏み込んだ折衝」を行い、抜本的な解決を図るほか、市場ニーズの高い温度管理輸送や背高コンテナ輸送の実用化に取り組み、株式上場をにらんだ連結決算を本格的に開始。
これらの取り組みにより、「鉄道事業の黒字化を達成する」と表明。セグメント別の予想数値は明らかにしていないが、全体(連結)で売上高1962億円(前期比2.6%増)、営業利益102億円(3.5%増)、経常利益78億円、最終利益93億円(69.1%増)を見込む。