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空室率上昇と賃料低下受け、JLL調べ

東京圏の賃貸物流施設、3年半振りに価格下落

2016年5月24日 (火)

調査・データジョーンズラングラサール(JLL、東京都千代田区)が24日に発表した賃貸不動産調査レポート「ジャパンプロパティダイジェスト」の最新版(1-3月期)によると、東京圏の賃貸物流施設市場は、大規模な新規供給を背景に空室率が2四半期連続で上昇し、賃料は2四半期連続で下落するなど需給がやや緩和するマーケット状況を反映し、価格が14四半期(3年半)ぶりに下落した。

価格は前期比1.1%の下落、前年比6.9%の上昇で、賃料の下落を反映して14四半期ぶりに値下がりした。投資市場では、ラサールロジポート(J-REIT)が新規上場に際し、東京圏でロジポート流山B棟(266億円、NOI利回り4.8%)、ロジポート北柏(253億円、NOI利回り4.6%)など8物件を総額1614億円で取得した。

募集賃料は月額坪当たり4147円(共益費込)、前期比0.8%の下落、前年比0.3%の上昇となった。既存物件の賃料は安定的に推移したものの、大量供給を背景に、内陸エリアで新規供給物件が平均を下回る賃料で募集を行っていることから、2四半期連続で小幅ながらマイナスとなった。

また、2四半期連続で延べ40万平方メートルを超える大型の新規供給を市場に迎え、空室率は8.1%、前期比1.6ポイント、前年比4.3ポイントの上昇。新規供給はインランド全体にかけて供給され、竣工時満室稼働物件もみられた。

1-3月の新規供給は43万4000平方メートルとなり、ストックは前期比7%増加。グッドマンビジネスパーク千葉イースト(延床面積13万3000平方メートル)、プロロジスパーク吉見(延床面積10万9000平方メートル)、野田物流センター(仮称、延床面積7万4000平方メートル)などの物流施設が竣工した。

2016年の新規供給は過去10年平均比95%増程度となっているものの、3PL事業者の需要を喚起するとみられることから、空室率は低下し、賃料の緩やかな上昇基調を支える見通し。価格は「賃料上昇を反映して緩やかに上昇する」とみている。