NTTドコモ、30分後のタクシー乗車数予測する実験開始

サービス・商品NTTドコモは、同社の携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計に、東京無線協同組合が運行するタクシーの運行データをかけ合わせて分析して利用需要をリアルタイムに予測する「移動需要予測技術」を開発する。1日から実証実験を開始する。

同社が東京無線、富士通、富士通テンと協力して開発する移動需要予測技術は、人口統計や運行データのほか、気象データ、周辺施設（POI）データなどに機械学習などの人工知能技術を適用し、タクシーの需要予測モデルを作成して「30分後の乗車数」を予測するものだという。

実験では、予測情報を東京無線のタクシードライバーに音声、文字、タブレットの地図上に分布して表示するなどして提供し、実運用を通じて有効性を判断する。

タクシー車両の運行データは富士通テンのタクシー配車システムと富士通が提供する位置情報サービス基盤「SPATIOWL」（スペーシオウル）で収集する。

この実験では予測情報の精度の技術検証も行い、移動需要予測技術を確立して「将来的に全国のタクシー会社の運行データを追加」し、各地でサービスを提供する。予測情報はタクシー会社の既存の配車システムと連携し、新たな設備を設置することなく低コストで円滑に移動需要予測技術を導入できるよう検討する。

NTTドコモはこの技術を実用化することで、タクシーの売上増加だけでなく、運行の効率化やドライバー配置の適正化によるタクシー供給不足の改善につながるとみている。