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アスクル、8月から東京・大阪で「小刻み時間指定」配送

2016年6月28日 (火)
アプリ画面

▲アプリ画面

ECアスクルは28日、ヤフーとの協力で運営する一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO」(ロハコ)で、顧客が購入した商品を「欲しいときに時間の無駄なく受け取る」ことができる新たな受け取りサービス「Happy On Time」(ハッピー・オンタイム)を8月末から東京と大阪で本格展開すると発表した。

すでに東京都千代田区・中央区・港区・江東区と大阪市北区で試験導入しているが、8月末の本格展開に合わせて東京都世田谷区と大阪市福島区・此花区を提供エリアに追加する。

新サービスは1時間単位の小刻みな受取時間指定、30分単位の配達予定、10分前の直前通知――と「3つの時間を顧客と約束」するもので、今後は物流ビッグデータの解析に人工知能(AI)を用いるなどの最新技術を駆使し、より精度の高いサービスにつなげる考え。

同社によると、5月から6月にかけて江東区で試験導入した際に2時間枠指定を対象に調査したところ、宅配された商品が受け取られなかった割合を示す「不在率」は国土交通省が発表している全国平均の23.5%を大幅に下回る6%となった。

この結果を受け、同社は「EC市場は拡大を続けているが、再配送の削減で環境負荷の発生による社会的損失の低減につながることが期待される」として、新サービスが環境負荷(やコスト)を低減する効果があるとの考えを示した。

アマゾンが提供する「Prime Now」(プライム・ナウ)は、「注文から1時間(2時間)以内」に届けるサービスだが、アスクルが今回提供するのは、「1時間(2時間)刻みで配達時間を指定できる」サービスで、同社は「必要な物を欲しい時に届ける」という顧客のニーズを踏まえた結果、今回のサービスに行き着いたのだという。

2時間刻みの受取時間帯指定を行う際の追加料金は不要で、1時間刻みのサービスを指定する場合は1回の購入金額が3900円(税込み)を超えていれば追加料金なし、3900円未満でも350円の時間帯指定手数料を支払うことで利用できる。

商品が到着する10分前にスマートフォンアプリのプッシュ通知で「もうすぐ」配達することを知らせるほか、1時間前からはアプリやPCサイト上の地図でドライバーの現在位置を確認することが可能。対象商品は同社物流センターで在庫するすべての商品(6万4000アイテム)で、精米が必要な「ろはこ米」など一部の商品は除く。

同社は商品配達予定時間をきめ細かく通知し、小刻みな時間帯で受け取り時間を指定できるようにするため、配送計画や配送車両状況をリアルタイムで管理・更新する必要があるとして、配送車両の運行状況をリアルタイムに管理するITテクノロジーの活用と並行し、今後は同社が保有する物流ビッグデータと人工知能を活用して分析。さらに高い精度の配送計画策定に活用していく。

物流ビッグデータの分析には、日立製作所の人工知能「Hitachi AI Technology/H」を導入し、人工知能が提供するデータから自動学習する技術によって到着時刻精度に影響を与える要因を特定、配送時間誤差の極小化と配送能力の最大化に継続的に取り組む。