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SBSトランスポート、60歳以上の運転者に脳MRI義務化

2016年8月26日 (金)

ロジスティクスSBSトランスポート、60歳以上の運転者に脳MRI義務化SBSホールディングス傘下のSBSトランスポート(東京都世田谷区)は26日、運転従事者脳MRI健診機構の助成制度を活用し、60歳以上のドライバーを対象とした脳MRI健診を実施したと発表した。

ドライバーの高齢化を背景に、健康状態が影響して大きな事故に発展するケースは後を絶たず、運送業の長時間労働が社会的な課題と認識されつつある。運送会社としても所属ドライバーが脳・心臓疾患に罹(かか)っていることを見過ごし、大事故を引き起こしてしまった場合、会社の経営や社員の生活を左右されることになりかねない。会社側にとっても積極的に予防措置を検討すべきテーマだろう。

同社では、運送会社に対するこうした社会的な要請を踏まえ、ドライバーの健康管理を強化する取り組みの一環として実施。60歳以上のドライバー35人を対象に、会社側が受診費用の2万円を全額負担して受診を義務付けたという。問題となる所見のあったドライバーには専門医を紹介するほか、日常の点呼時に意識的に声をかけるなど、継続的に体調管理を実施している。

過重な仕事が原因となる脳・心臓疾患の労災請求件数はここ数年、年間700-800件で推移しているが、このなかで運輸・郵便業の請求件数は181件とダントツで多い。特に道路貨物運送業は133件を占めており、業種別中分類で2位の総合工事業(48件)を大きく引き離している。請求件数のうち35%は死亡災害。ちなみに脳・心臓疾患の労災認定率は37.4%(15年度)となっている。