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「日本の物流の強み」とは、物流連が調査報告書

2016年9月6日 (火)

調査・データ「日本の物流の強み」とは何か。日本物流団体連合会(物流連)は物流大綱を推進する一環として「日本の物流の強みを確認し、その普及を図るための調査」に取り組み、6日報告書を公表した。

2013年6月に閣議決定された総合物流施策大綱(2013-17)では、今後の物流施策の方向性の筆頭に日本の優れた物流システムをアジアに普及させることを掲げているが、一方で「日本の物流事業の優れた点とはどのようなものか」については、必ずしも明確にされなかった。

そこで、物流連では3年前から学識経験者へのヒアリング、物流連メンバー企業へのアンケート、運輸政策研究機構による外資系企業へのヒアリング、国土交通政策研究所の欧米荷主企業に対する報告書の内容などをまとめる取り組みを立ち上げ、このほど報告書を公表した。

この取り組みではまず、有識者へのヒアリングを通じて日本の物流の強みを列挙。これを踏まえ、物流連海外物流戦略ワーキングチームのメンバーが所属する企業にアンケートを行った結果、「きめ細やかなサービス」8件、「サービス・接客レベルの高さ」(5件)、「現場改善力」(4件)の順で多かった。

また「弱み」については「100%の追求が逆に高コストの要因」(8件)、「戦術に強いが戦略に弱い」(7件)、「日本的人事制度の弊害」(5件)との回答が多く、強みがそのまま弱みに転じるとも読める結果を示した。

また、日本の物流企業が目指すべきビジネスモデルについては、「日本流のビジネスモデルを貫く」が7件で最多となったのに対し、「欧米流のビジネスモデルを貫く」は2件で最も少なかった。

ただ、これらの回答を選んだ理由としては「国によって浸透させるには時間がかかると思うが、日本流ビジネスモデルは非常に優れているので変更する理由がない」といった肯定的なものや、「日本流は高コストで欧米系のそれと競合できない。日系企業が顧客である限り、日本流のサービスを求められるため、日本流を貫く必要あり」と消極的な選択の結果であることを示すものがみられた。

■「日本の物流の強みを確認し、その普及を図るための調査・報告書」
http://www.butsuryu.or.jp/images/nihonnobutsuryunotsuyomi.pdf