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塩釜港運、日通の鮮度保持技術で農産物輸出の実証事業

2016年10月5日 (水)

ロジスティクス日本通運グループの塩釜港運送は5日、東北経済連合会、ファーストインターナショナルの3者で、仙台塩釜港から米国向けに東北産を中心とした農産物を輸出する実証事業を行うと発表した。

(出所:塩釜港運送)

(出所:塩竈港運送)

この事業は、日通が開発した鮮度保持輸送技術「NECK’S」(ネックス)を用いて、日本から米国へ最速航路で農産物を輸送するもの。仙台塩釜港-米国ロサンゼルス港の所要日通は10日で、所要日数が京浜港を利用した場合に比べ1日短縮される。加えて輸送費は航空貨物に比べ最大10分の1まで低減でき、野菜や果物をより新鮮な状態で米国に輸送することが可能となる。

ネックスは、野菜、果物を長持ちさせる鮮度保持システム。コンテナ内に湿度を発生させる加湿機能のほか、エチレンガスの除去・分解機能を備えている。ネックスを使った北米向け利用と、東北や北海道地域からの輸送を行うのは初めて。

実証事業では、東北経済連合会が事業全体の調整を行うとともに、ファーストインターナショナルが商材の選定や輸出業務、米国側卸商社との交渉を行う。塩竈港運送は鮮度保持海上輸送に関わる手続きとトータルコーディネートを担う。

今回は、米国西部で薬膳料理としての需要がある青森県産の「ながいも」を中心に40フィートリーファーコンテナに混載して輸出することとしており、6日に農産物をコンテナへ積み込み、9日に仙台塩釜港を出港する。

この事業を通じ、市場規模は大きいものの遠距離のため鮮度維持に課題のあった、米国への農産物輸出に弾みをつけるとともに、今後は対象農産物の産地や種類、輸出範囲を拡大し、東北の農産物のさらなる販路拡大を目指す。