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JR貨物の上期取扱貨物、地震・台風影響も微減にとどまる

2016年10月12日 (水)

調査・データ日本貨物鉄道(JR貨物)は12日、上半期(4-9月)と9月の輸送動向を発表した。4-9月期の取扱貨物量はコンテナと車扱合わせて前年比0.3%減少した。

4-9月期は、4月中旬の熊本地震、6月下旬の鹿児島線・山陽線大雨、さらには8月中旬以降の相次ぐ台風の接近・上陸の影響を受けた、特に8月下旬から9月上旬にかけての台風10号は北海道地区に甚大な被害をもたらし、全体では高速貨物969本、専用貨物12本が運休した(前年同期は高速貨物715本、専用貨物11本が運休)。

コンテナ貨物は、トラックドライバー不足により鉄道へのシフトが続いている清涼飲料水を中心とした食料工業品(前年同期比2.6%増)や積み合せ貨物(1.2%増)が好調となったほか、化学工業品(0.7%増)、エコ関連物資(2.8%増)が前年を上回った。一方、 農産品・青果物(8.7%減)が九州地区での玉葱の生育不良に加えて、北海道地区での台風10号などの自然災害の影響で馬鈴薯・野菜類が大幅な減送となった。

また、新聞紙・コート紙の需要落込みで低調な紙・パルプ(3.1%減)が前年を下回ったほか、自動車部品(1.9%減)が熊本地震による現地工場被災に伴い発送減となり、結果としてコンテナ全体では1.1%減となった。

車扱は、セメント・石炭石(10.3%増)が好調に推移し、車扱い全体では2.2%増となった。

9月単月ではコンテナ・車扱合わせて前年同月比0.1%増加。 台風10、12、13、16号接近と大雨の影響で高速貨物が324本、専用貨物4本が運休した(前年同月は252本、専用貨物7本が運休)。

コンテナ貨物は、鉄道へのモーダルシフトが進む飲料を中心とした食料工業品(4.8%増)や積合せ貨物(3.5%増)が好調だった。また、熊本地震の影響で低迷していた自動車部品(10.2%増)が、現地工場再稼動に伴い荷量が回復した。

一方、台風10号の被害により北海道地区からの馬鈴薯などの農産品・青果物(14.5%減)が前年を大きく下回ったほか、需要低迷に伴い紙・パルプ(0.4%減)が発送減となった。全体では0.4%増。

車扱は、石油が昨年度の需要好調に伴う反動減となったほか、セメント・石灰石(3.6%減)が前年を下回り、全体で0.8%減となった。