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8月の内航輸送、台風の影響で貨物・タンカーとも減少

2016年10月13日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、8月の貨物船輸送量は1645万7000トン(前年同月比4%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は963万1000トン(キロリットル)で10%減となった。

貨物船は、台風が相次ぎ、前月見られた順調な輸送から一転して避難・欠航により輸送障害が発生し、雑貨以外の品目で減少となった。貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は1%減、原料は石灰石の落ち込みから4%減少した。

燃料は石炭の落ち込みが見られ3%減、紙・パルプは入渠船や製紙工場の休転から18%減、雑貨は入渠船が見られたほか荒天の影響により、一部では太平洋側の航路から日本海側の航路へ輸送のシフトが見られたため増加した船社もあった。北海道ではJR貨物が台風による土砂災害により不通となったため、農産物の輸送は船への代替輸送が見られたが、シャーシ不足により輸送の停滞も見られて前年並みだった。

自動車は避難などがあり7%減。セメントは天候の不安定さが現場工事の遅れを招いて輸送に影響したため5%減。

タンカーは貨物船同様に台風の影響から船舶の不稼働率が高く、輸送の落ち込みが見られた。黒油は夏季の需要期に入ったが電力需要の減少や製油所の定修の影響が見られ16%減。

白油は一部で製油所の定修により振替輸送が見られたが、入渠船もあり減少し9%減。ケミカルはケミカル工場の定修前の溜め込み需要で増加が見られた反面、前月に続いて水島エチレンプラント故障の影響により2%減少した。

高圧液化はLPGの製油所間転送の減少やエチレンの生産量が減少し10%減。高温液体はアスファルがは製油所間転送で増加した局面が見られたが、6月のような値上がり前の駆け込み需要もなく3%減となった。

耐腐食は一部の品目で熊本地震で納入先工場に影響が残り輸送量の減少が見られた反面、苛性ソーダや硫酸が増加したため5%増。