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鹿島、新たなコンクリート運搬・打設システム開発

2016年10月18日 (火)

荷主鹿島は18日、高低差のある場所にコンクリートを運搬する際、硬練り、高粘性のコンクリートを排出することができる「新型バケット」と、打設時の材料分離を抑制できる扁平形状のホース「OKホース」を開発したと発表した。

同社はこれらを組み合わせ、岩手県で施工中の三陸沿岸道路長部高架橋の橋脚コンクリート工事に試行したところ、コンクリートのフレッシュ性状が変化せず、材料も分離せず高い耐久性を持つコンクリート構造物を構築できたという。

コンクリートの打設場所への運搬は、コンクリートポンプ車による圧送を用いるケースが多いが、高低差がある場所など距離のある圧送では、スランプの低下による圧送管の閉塞などが課題。

またバケットによる搬送でも、硬練りの場合はバケット内でコンクリートが滑り落ちにくいため排出口が閉塞したり、通常の円形ホースの中で材料分離してしまったりといった問題が生じていた。

単位水量や単位セメント量を増加させるなどの配合変更で流動性を上げて対処すると、コンクリートに乾燥収縮ひび割れや温度ひび割れといった初期欠陥を引き起こすおそれがあるほか、コンクリートの凍害を防止するためにはコンクリート中に一定の空気量を含むことが重要だが、圧送によりその空気量が減少することで、凍結融解抵抗性が低下する懸念もある。

そこで、同社はスランプ8センチ程度の硬練りコンクリートでも配合を変えることなく、スムーズに運搬・打設できる仕組みとして、コンクリート運搬・打設システムを開発した。

今後は新システムとOKホースを、橋梁やボックスカルバートなどのコンクリート構造物に水平展開し、適用を拡大していく。