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9月の内航輸送、台風上陸も貨物量1%減にとどまる

2016年11月11日 (金)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)が10日までにまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、9月の貨物船輸送量は1822万7000トン(前年同月比1%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は994万5000トン(キロリットル)で1%増となった。

貨物船は、接近・上陸した4つの台風があったが、前月の状況に比べて避難などの影響は少なかった。鉄鋼、原料、紙・パルプ、セメントの品目が減少した。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は製鉄所の高炉改修工事に伴い3%減、原料はセメントの需要減少から石灰石が落ち込み3%減となった。

燃料は石炭やコークスの増加から8%増。石炭は火力発電所向け需要や内航の二次輸送が増加した。紙・パルプは前月に続いて製紙工場の休転があったことや多雨により紙製品の荷揚げ・荷降ろし作業の中止が多かったことで5%減少した。

雑貨は、入渠船が戻ってきたこと、前月の大勇によりJR貨物の貨物が流れてきたこと、前月運び切れなかった貨物の輸送があり9%増加。

自動車は前月の貨物が台風により今月にシフトしたことから前年並み。セメントは関東圏の需要の低迷から大型船の待機が目立った。需要の冷え込みから輸送が減少し6%減。

タンカーは製油所の定修のほかそれぞれの製油所でトラブルが発生し輸送に影響が表れた。黒油は前年に製油所の定修が多くあったが今年は少なく、気温も前年より高めに推移したことで冷房需要が増加し11%増。

白油は落雷による停電やトラブルに伴う製油所の出荷停止が各地で発生したことにより9%減。ケミカルは前述のトラブルや定修の影響で減少が見られたが、エタノールの輸送が減少をカバーし前年並み。

高圧液化はは前月と同様にLPGの製油所間転送の減少やエチレンの生産量が減少し5%減。高温液体はアスファルトの定修による製油所間転送の前倒しと燃料用アスファルトの需要が見られ12%増加した。

耐腐食は苛性ソーダなどの増加や熊本地震による納入先工場の影響が海相したため5%増。