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7-9月のトラック運送景況感が10.6P改善、全ト協調べ

2016年11月14日 (月)

ロジスティクス全日本トラック協会(全ト協)が11日に発表した、7-9月期のトラック運送業界の景況感速報によると、昨年同期に比べ景況感の判断指数は-30.1となって前回の-40.7から10.6ポイント改善したことがわかった。

全ト協は、「イギリスのEU離脱決定に伴う金融市場の混乱の鎮静化、熊本地震からの復興の進捗(自動車関連)、原油安などが後押ししたが、円高の進行、国内消費の低迷などがマイナス影響を与えた」と分析している。

7-9月期の判断指数は、海外景気、円高、国内経済状況の不透明感を反映し、今回より4.2ポイント悪化の-34.3の見通しとなっている。

■一般貨物、輸送数量の判断指標14.1P改善
一般貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が35.2%、「増加」が21.6%で、判断指標は-16.8%となり、前回(-30.9)から14.1ポイント改善した。営業収入では減少が36.6%、増加が24.2%で、判断指標は-16.3%となり、前回(-23.9)から7.6ポイント上昇。営業利益は減少が32.7%、増加が24.7%で判断指標は-11.9となり、前回(-22.5)から10.6ポイント改善。

7-9月期は輸送数量・営業収入がほぼ横ばい、営業利益はやや悪化の見込み。

■宅配貨物の営業利益26.7P改善
宅配貨物は輸送数量の減少が30%、増加が13.3%で、判断指標は-23.3となり、前回(-30)から6.7ポイント改善した。営業収入では減少が20%、増加が13.3%で、判断指標は-10となり、前回(-20)から10ポイント改善。営業利益は減少が16.6%、増加が16.7%で、判断指標は-3.3となり、前回(-30)から26.7ポイント改善した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が40%、増加が14%で、判断指標は-26となり、前回(-26.5)から0.5ポイント改善。営業収入は減少が36%、増加が20%で、判断指標は-14となり、前回(-18.4)から4.4ポイント改善した。営業利益でも減少が38%、増加が24%で、判断指標は-10となり、前回(-10.2)から0.2ポイント悪化した。

7-9月期は宅配貨物が輸送数量はやや改善、営業収入はわずかに悪化、営業利益は悪化の見込み。宅配以外の特積貨物は、輸送数量が改善、営業収入、営業利益は悪化の見込み。

■運賃・料金水準、特積貨物が6.7ポイント上昇
運賃・料金水準は、一般貨物が-4.1(前回-7)と2.9ポイント改善、宅配貨物は6.7(前回0)と6.7ポイント上昇、宅配以外の特積貨物は8で(前回-4.1)から12.1ポイント改善となっている。

7-9月期は、一般貨物がほぼ横ばい、宅配貨物はやや低下、宅配以外の特積貨物は低下の見込みとなっている。

■労働力不足感強まる
実働率は-16(前回-26.5)と10.5ポイント悪化、実車率は-14.1(前回-24.1)となり、10ポイント改善となった。雇用状況(労働力の過不足)は71.8(前回60.9)と10.9ポイント上昇し、不足感が強くなった。

採用状況は-11.5(前回-8)で指標は3.5ポイント減少し、所定外労働時間は-11.7(前回-16.2)と4.5ポイント増加している。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は-10.8(前回-12.8)で2ポイント増加となった。経常損益は-13.3(前回-1.6.1)となり、2.8ポイント改善となった。

7-9月期は実働率がわずかに改善、実車率がほぼ横ばいの見込み。雇用状況は指標の水準をやや上げ、不足感が強まる見込み。採用状況、所定外労働時間はほぼ横ばい、貨物の再委託はわずかに改善、経常損益は指標の水準をわずかに下げる見込み。

■中・小規模事業者が改善
事業者の規模別では、大規模事業者が-22.6(前回-21.8)と0.8ポイント悪化、中規模事業者は-26.6(前回-45)となり、18.4ポイント改善、小規模事業者は-38.6(前回-41.8)と3.2ポイント改善となっている。

一般貨物の主な取り扱い品目別では、消費関連貨物が-25.4(前回-29.4)と4ポイント改善、建設関連貨物が-30.1(前回-52.7)と22.6ポイント改善、機械関連貨物が-24.7(前回-43.4)と18.7ポイント改善、「その他貨物」が-36.9(前回-46.7)と9.8ポイント改善。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、東北、関東、北陸信越、中部、中国、九州は水準を上げているが、このほかの地域は下げている。

7-9月期は規模別で大規模事業者、中規模事業者がやや悪化、小規模事業者がほぼ横ばいの見込み。

取り扱い品目別では、消費関連貨物、機械関連貨物は水準をやや下げ、建設関連貨物、その他貨物はほぼ横ばいの見込み。地域別では、東北がやや水準を上げる見込みとなっている。