ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

NEDO、福岡のベンチャーに支援

生鮮物流にIoT技術、トラック内環境を常時可視化

2016年11月25日 (金)
生鮮物流にIoT技術、トラック内環境を常時可視化
空白

話題IoTを用いて痛みやすい食品の鮮度保持に取り組むスカイディスク(福岡市中央区)は25日、同社の「生鮮食品のフードバリューチェーンを強化するIoTソリューション」事業が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2016年度研究開発型ベンチャー支援事業として採択されたと発表した。

対象事業は、契約農家から一般家庭やレストランなどの消費者に直接生鮮食品を届ける「生産物流企業」とタッグを組み、生産者から消費者に生鮮食品を届けるまでの物流の品質を監視、コンサルティング、保証するもの。

生鮮食品は鮮度管理が難しくデリケートな商品の破棄率が高いため、生鮮品の物流を担う企業では食材の品質を保証できない事業課題を抱えているが、同社のセンサーデバイス「Sky Logger」を利用してデータを集積、汎用型人工知能の「Skydisc AI」で生鮮食品の管理をするといった取り組みを適用し、今回の助成金で「より強固なエコシステムを確立する」(スカイディスク)。

具体的には温湿度、衝撃、GPS(位置情報)などの情報を収集し、トラック内の環境をリアルタイムで可視化。温湿度変化に弱い食品や壊れやすい物品でも「破損がいつ・どこで・どういった原因で起こるのか」を分析し、安心した配送サービスを提供できるようにする。

また温湿度、照度、CO2などのセンサーを使い、ハウス内の環境を可視化することで、見回り頻度を最適化。データが蓄積されてくると「育成予測」やハウス内の環境緊急時に携帯・パソコンに「緊急アラート」などを送ることができる。閾(しきい)値は自由に設定可能。

これにより、今まで1日に何度も圃場の見回りをしていたケースでもその回数を減らし、作業効率を格段に高めることができるという。

生鮮物流にIoT技術、トラック内環境を常時可視化3通信デバイスは鉄筋のビル一棟や広大な農園をアンテナ1つでカバーし、乾電池だけで3年使用できる「LoRaWAN」の技術を使った「Skydisc LoRaゲートウェイ」を採用、AC電源が不要で低価格な通信が可能となる。

AI(分析クラウド)は汎用型人工知能だ「Skydisc AI」で、データ蓄積データベースとAI基盤を提供、データ分析まで行う。これらを農業、物流、保全といった分野ごとに情報の可視化を行うアプリケーションまで提供し、安価でスピーディーなIoTプラットフォームを実現した。