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UACJ、タイ・米国で550億円投資し需要拡大に対応

2016年11月30日 (水)

荷主世界3位のアルミニウム圧延メーカー・UACJは、世界的な需要増大に対応するため、タイと米国で総額550億円の設備投資を行う。

タイではラヨン県アマタシティの子会社を通じ、ラヨン製造所の敷地内で鋳造ライン(鋳造設備、屑溶解炉、溜炉)、熱間圧延ライン前後設備(スカルパー、加熱炉)、冷間圧延機、表面処理・塗装ライン、スリッター、建屋などを設ける。投資額は370億円(122億バーツ)で、2019年6月の稼働開始を見込む。投資後の生産能力は既存設備と併せて年間32万トン。

現地法人は12年3月にラヨン製造所の建設に着手し、14年1月に冷間圧延から仕上げ加工まで下工程の第1期操業を開始。15年8月には、鋳造から熱間圧延までの上工程の建設(第2期)が完了、17年度年間20万トンの生産体制を目指し、一貫生産を開始した。

これまで、主にアジア市場をターゲットとした飲料缶メーカー、自動車部品メーカー向けに飲料缶材、自動車用熱交換器材などを供給し、ことし10月には月産1万トンを達成したが「世界的に競争力のある真のアルミニウムメジャーグループとして、主に缶材を中心にグローバル化する顧客のニーズに対応していくためには、日本・米国・タイの3極で確固たる生産基盤を築き、グローバル・安定的に供給することが必要不可欠」だとして、設備投資による生産能力の向上とコスト低減による収益力の改善が必要と判断した。

また、米国ではケンタッキー州ルイビルの子会社が180億円を投じ、同州ラッセルビルのローガン工場敷地内に鋳造ライン(屑原料用溶解設備)、冷間圧延機を設ける。鋳造ラインは18年7月、冷間圧延機は19年4月にそれぞれ稼働を開始し、稼働後は缶材、自動車用アルミニウム母材合わせて年間40万トンの生産能力となる。