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日ロ経済交流の拡大で需要増見込む

日通がロシア向け新輸送サービス、モスクワへ1か月短縮

2016年12月13日 (火)
日通がロシア向け新輸送サービス、モスクワへ1か月短縮
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ロジスティクスこれまでロシア・モスクワ向けの物流は、一部のスポット貨物を除いて東京・大阪からおよそ45日から2か月程度かかっていたが、日本通運が来年1月10日から立ち上げる新たな輸送サービスにより、日ロ間の物流が1か月短縮できる見通しとなった。

日通モスクワ向け新サービス-3

日通が13日に発表した新輸送サービスは国際複合一貫輸送サービス「Sea & Rail Moscow」(シー&レール・モスクワ)。発地がこれまでの主要港だけでなく、国内38港に拡大する。

日ロ間の貿易はロシア経済の低迷によって一時的な停滞の最中にあるが、間もなくプーチン大統領が来日して日ロ首脳会談が行われるなど、国家レベルでは経済交流の進展が見込まれている。今後は自動車関連部品や化学品、電子機器などのロシア向け輸出が伸び、2016年から20年にかけて貨物量が33%増加するとの分析結果(IHSグローバル)も出ていることから、「海上輸送より早く、主要港までの国内輸送費用・日数・CO2排出量を削減できる独自の複合一貫輸送サービスを開発した」(日通)という。

従来の輸送ルートは東京・大阪といった主要港からロシア・サンクトペテルブルク経由で輸送するサービスが中心で、シベリア鉄道の利用は一部のスポット貨物にとどまっていた。

日通の新サービスでは、国内38港に取り扱いを拡大することで「最寄りの港」から船積みできるようになり、国内輸送費用の大幅な削減につながる可能性が高い。また、ウラジオストクでシベリア鉄道に積み替えてモスクワに鉄道輸送することにより、海路で欧州に回っている現状に比べて輸送日数を1か月短縮できることになる。

具体的には国内港から韓国・釜山港経由でウラジオストクまで7−10日、そこからモスクワまで12日間程度かけてシベリア鉄道で輸送し、全体で27−30日ほどの輸送日数となる。従来のサンクトペテルブルグ経由の海上輸送に比べ、国内取扱港が飛躍的に増加し、便数やリードタイムでも優位に立つことから、日ロ間の経済交流の進展に伴い、同国向け物流の「主役」に躍り出る可能性を秘めたサービスとなろう。

日通がロシア向け新輸送サービス、モスクワへ1か月短縮4

■国内取扱港
舞鶴・苫小牧・石狩湾新港・釧路・秋田・酒田・新潟・直江津・富山新港・金沢・敦賀・境港・浜田・八戸・塩釜・東京・横浜・名古屋・清水・大阪・神戸・水島・広島・大竹・岩国・徳山下松・中関・高松・松山・高知・門司・博多・志布志・大分・細島・熊本・八代・薩摩川内

(画像:日本通運)