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自動車事故調、海コン車両40メートル落下事故で報告書

2016年12月13日 (火)

調査・データ国土交通省は13日、神奈川県箱根町の国道1号線(箱根新道)で2015年6月に海上コンテナトレーラが40メートル下の県道に転落した事故に関する調査報告書を議決したと発表した。

この事故は同年6月29日2時57分頃、箱根新道で国際海上コンテナを積載したトラクタ・コンテナセミトレーラが走行中、長い下り坂の先の右カーブを曲がり切れずに左側のガードレールを突き破り、40メートル下の県道に転落したもので、運転者が死亡したほか、転落の際にトラクタとコンテナセミトレーラが分離し、トラクタから火災が発生した。

報告書で自動車事故調は「運転者が下り坂でエンジンブレーキや補助ブレーキを活用せずにフットブレーキによる制動を多用したことでフェード現象が発生し、十分な制動が得られなかった可能性が考えられ、制限速度の時速50キロを上回る80キロを超える速度でカーブを通過したところで、曲がり切れずにガードレールを突き破り転落した」ことが原因になったとの見方を示した。

また、会社側の落ち度として「運転者に対し始業点呼を実施せず、運行の安全を確保するための必要な指示を行わず、また、連続する下り坂での運転方法の指導教育を行っていなかった」ことが事故につながった可能性があると指摘した。

運行管理者が取り組むべき再発防止策として、報告書では「運転者が連続する下り坂道路などを運転する場合は、運行管理者が点呼の際に道路の特徴や注意を要する情報を指示することが重要であり、特に、通常の運行形態と異なる長距離運転などを行わせる場合には、休憩場所など確実に指示を行うことが必要」「運行管理業務を交替制で行わせることや補助者を選任することにより、点呼を確実に実施することが必要」だとして、事前の詳細な注意と十分な休憩を取らせるよう求めた。

また、会社側には「下り坂が連続する道路でフェード現象が発生しないよう、運転者に対して、フットブレーキの多用を避け、エンジンブレーキや補助ブレーキを活用する運転操作を行うことの実践的な指導教育を行うこと」が重要だとして、適切な教育が必要との考えを示した。