双日と国分、ベトナムで4温度帯物流に参入

ロジスティクス双日と国分グループ本社は14日、ベトナムの物流大手「ニュー・ランド社」と共同で合弁会社「ニュー・ランド・ベトナム・ジャパン」を設立し、同国で4温度帯物流事業に参入すると発表した。

同国では消費者の購買力向上に伴い、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった近代的な小売業態（モダントレード）が発展しつつあり、コールドチェーン物流へのニーズが高まっているが、そのニーズに十分に対応するインフラ不足が課題となっている。

合弁会社は常温、定温、冷蔵、冷凍の4温度帯に対応する物流センターやトラックなどを自社保有することで、食品の保管から店舗への配送まで一貫した温度管理が可能なコールドチェーン物流を展開。10年後に売上高10億円を目指す。

具体的には、2万平方メートルの敷地に延床面積1万1000平方メートル、保管容量最大1万3000パレットの物流拠点を同国最大のコンテナターミナル「カトライ港」や2025年の開業を目指すロンタン新国際空港から車で1時間のロケーションに開設。50台のトラックを備える。

双日、国分、ニュー・ランド社の3社共同で運営している食品卸会社「フン・トゥイ・マニュファクチャー・サービス・トレーディング」の機能を強化して差別化を図り、同国で食のバリューチェーンを拡充する。

双日はベトナム戦争後、1986年に日本を含む西側諸国の企業として初めてベトナムに駐在員事務所を開設。現在はフン・トゥイ社などの食品流通事業と産業分野ごとに相乗効果を得ながら食のバリューチェーン構築を進めている。国分は東アジア・東南アジアでのコールドチェーン物流を展開しており、これまでの事業ノウハウや経験を活かし、同国でも低温物流網の構築を目指す。