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アスクル、物流投資が機能し下期利益拡大の見通し

2016年12月14日 (水)
アスクル、物流投資が機能し下期利益拡大の見通し2
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ECアスクルが14日発表した中間決算(6-11月期)は、売上高が9.6%増の845億2900万円、営業利益が2.2%増の36億4100万円となり、計画を上回る実績で増収増益を達成した。上半期は物流に関する固定費比率が上昇したものの、同社は下期に利益成長が加速するとの見方を示しており、物流分野における投資効果の高さを強調するものとなった。

同社が今期(2017年5月期)に掲げる全社方針は3つあるが、トップに位置付けているのが、新受取サービスとロボットの導入による「サービス進化と物流効率化の実現」だ。

ここ数年の同社の物流投資をみると、消費者向け通販の「LOHACO」(ロハコ)がスタートした14年5月期のタイミングで大阪ケースセンターの増床を実施したほか、首都圏の基幹物流拠点として「アスクルロジパーク首都圏」が稼働を開始。前期は「アスクルロジパーク福岡」が稼働(15年12月)し、今期に入ってからも16年5月に「アスクルロジパーク横浜」を立ち上げている。

アスクル、物流投資が機能し下期利益拡大の見通し4

上期業績では横浜拠点の立ち上げに伴う物流センター固定費として7億円の増加をみたものの、同時に発表した新センターの「1オーダーあたりの労務単価」では、横浜拠点で旧センター比12%改善、九州拠点で16%改善といずれも計画値を上回る結果を収めており、下期の利益成長を支える基盤として機能していくという同社の見通しは信ぴょう性が高い。

アスクル労務単価

こうした物流基盤は、同社の新サービスにも相乗効果をもたらしている。8月末に開始した小刻みな時間帯指定配送サービス「Happy On Time」(ハッピーオンタイム)は当初、東京都千代田区、中央区、港区、江東区、世田谷区と大阪市北区、福島区、此花区――の東京・大阪8区でスタートし、10月16日には新たに「世田谷デポ」が稼働した。

このサービスの投入によって、一般的に20%程度といわれる宅配不在率に対し、ハッピーオンタイム配送による不在率は実に「2.7%」と率にして8割以上少ない。

アスクル、物流投資が機能し下期利益拡大の見通し5

配送コストの削減や配送の安定化にも取り組んでいる。ドライバー不足という事業環境は同社も同じだが、この課題に対し、ビッグデータ・AIを活用して配送の最適化を図りつつ、柱であるBtoB事業との混載を11月から開始することで、下期は配送コストの改善に寄与していく見通しだ。商品をピッキングスタフのもとまで運ぶ自動倉庫型のテクノロジーを導入し、横浜拠点ではピッキングロボットも本番稼働を開始した。

「物流を制する者がeコマースを制する」との考えを前面に打ち出すアスクルの取り組みは、ビッグデータやAIの活用が本格化するにつれ、さらなる成長スピードを生み出す源泉となっている。

アスクル、物流投資が機能し下期利益拡大の見通し3

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