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10月の内航輸送、台風影響も貨物船輸送量は前年並み

2016年12月15日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、10月の貨物船輸送量は1849万9000トンと前年同月並みだった。油送船(タンカー)の輸送量は1037万5000トン(キロリットル)で5%減となった。

貨物船は、上旬に接近した台風18号や前線の影響があったが、前月に比べて避難などの影響は少なかった。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は前月悪天候により運びきれなかった貨物があったことや、前月に見られた製鉄所の高炉改修工事の影響はあまり受けず順調に輸送され1%増加。原料は石灰石について前年同月に定修のあった工場があったが、ことしはなかったため、1%増。

燃料は前月に続いて、石炭の二次輸送の増加が見られた一方、火力発電所向け需要やコークスの減少から前年並みだった。紙・パルプは関東の在庫が減少したことにより北海道からの送り込みが増加した。通販用途の板紙が好調で4%増加した。

雑貨は、北海道発の輸送が活況を呈した。青果物やでん粉製品のほか、東北の被災地向け防波堤、プレキャスト・コンクリートの輸送が見られた。新規航路(清水-大分)の開設も増加要因となり2%増加。

自動車は前月が8月に輸送できなかった自動車を輸送したことに加え決算月だったため増加していたが、今月はなかったため1%減。セメントは需要低迷が継続しており、例年秋に見られる需要も少なく4%減となった。

タンカーは、前月に続き製油所の定修のほか製油所でトラブルが発生し輸送に影響が表れた。黒油は前年同月よりも気温が全国的に高く推移したことで電力需要が減少した。また、各製油所の定修、トラブルによる減少も見られ12%減。

白油は定修、精油所のトラブルに伴う出荷停止で2%減。ケミカルは製油所トラブルにより輸出向け製品が国内向けに振り代わったこと定で5%増加した。

高圧液化は前年並み。LPGは前年並みだったが、エチレンヤ塩ビモノマーの減少が押し下げた。高温液体は定修・アスファルトの販売減少が見られ24%減。耐腐食は苛性ソーダの減少が影響し2%減少。