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CBREが17年の動向予測

圏央道エリアの物流施設、空室率「20%からさらに上昇」

2016年12月21日 (水)

拠点・施設CBREは20日、2018年までの不動産投資マーケットを予測する特別レポート「不動産マーケットアウトルック2017」を発表した。

レポートによると、首都圏の物流マーケットは堅調な需要を維持しながらも、これを上回るペースの供給が続いているため、エリアによっては空室がすでに増加傾向にあると指摘。こうした賃貸マーケットの変化を受け、投資マーケットでは利益確定のための売却が次第に増加する、との見方を示した。

一方、「米国のトランプ次期大統領の政策の行方次第では、賃貸不動産に対する需要が上振れる可能性がある」として、トランプ氏が推進するとみられる大型法人減税やインフラ投資がさらなるドル高・円安に至り、輸出企業を中心とする企業業績の回復から設備投資の拡大、オフィスや物流施設に対する需要拡大につながる、と予測した。

16年は物流施設に対する需要が拡大したものの、首都圏と近畿圏で新規供給が需要を上回るペースで増加。このため、いずれの都市圏でも平均空室率は年間を通じて上昇したが、エリア別の需給動向には格差がみられる。

首都圏の4エリアのうち、最も新興の圏央道エリアでは今後新規供給が集中するため、空室率は16年末時点に予想される20%前後からさらに上昇する見通し。ほかの3エリアでも空室率が16年後半に上昇したが、いずれも10%を下回っており、「今後も大きく上昇することはない」と予測した。

近畿圏では、大型開発が本格化する内陸部では需給が依然としてタイトだが、従来から物流施設が集積する湾岸部ではテナントの動きが鈍い。今後はいずれのエリアでも新規供給が増加し、エリア間で需給バランスの格差はさらに広がる見通し。