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JICA、上限166億円の円借款契約調印

ネパールの物流円滑化へ同国初のトンネル建設支援

2016年12月26日 (月)
ネパールの物流円滑化へ同国初のトンネル建設支援
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国際国際協力機構(JICA)は22日、ネパール初の道路トンネルを建設して物流網の円滑化を図る事業を対象に、同国政府と166億3600万円を上限とする円借款貸付契約に調印した。2022年8月のトンネル完成を目指す。

この事業は、カトマンズと主要都市、インド国境までを結ぶ幹線道路上にあるナグドゥンガ峠にトンネルを建設し、運輸交通網の円滑化を図る。貸付資金はトンネル、アクセス道路、橋梁などの建設・整備に必要な土木工事、コンサルティング・サービスに投入される。

同国は国土の8割が山岳地帯の内陸国で、人や物の移動の多くを道路に頼り、輸出入の6割を陸続きの隣国インドに依存。物資は国境のビルガンジからナラヤンガート、ムグリン、ナグドゥンガを経由し、首都カトマンズに至る道路を通って輸送され、インドとの陸上交易の6割を担う重要路線となっているが、カトマンズから15キロのところに勾配10%以上の急峻なナグドゥンガ峠(標高800-1500メートル)があり、急勾配やカーブで慢性的な交通渋滞が発生することから、年率6%のペースで交通量が増加し、物流の大きな課題となっている。

日本が支援する今回の事業は、こうした課題を抱えるナグドゥンガ峠にネパールで初の山岳道路トンネルを建設するもので、2.5キロのトンネル(2車線)を設ける計画。完成後は東方向へ30分、西方向で20分かかっているナグドゥンガ峠を通過する時間が3分の1に短縮され、人や物の移動の円滑化が期待されている。