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船主協会、海事団体との連携深めPR活動強化

2017年1月4日 (水)

ロジスティクス
日本船主協会の工藤泰三会長による年頭所感の要旨は次の通り。

工藤会長の年頭所感(要旨)

昨年は、未曾有の市況低迷や海外大手コンテナ船社の経営破綻など、これまでにないほど厳しい状況に直面した年だった。このような状況のなかで船主協会では、外航海運産業にとって極めて重要な税制である「特別償却制度」「圧縮記帳制度(特定事業用資産の買換特例)」「トン数標準税制」が要望時期を迎えたため、国土交通省と緊密に連携し関係方面へ粘り強く要望活動を行った。その結果、いずれもほぼ要望通りの内容で延長・拡充が認められた。

さらに、一昨年から力を入れている海事産業の認知度向上に向けた広報活動も、政府や日本財団が中心となり推進した「海と日本プロジェクト」の一環として、「船ってサイコ-2016」と銘打ち、商船の一般公開を全国各地で展開し、多くの児童・生徒や小中学校の先生にも大きな船を実際に見てもらうことができた。

この取り組みのなかで初めてほかの海事団体と共同で、造船所で建造中の船舶の見学会も実施した。一人でも多く、特に子供たちに船を身近に感じてもらうともに、海事産業の重要性を理解してもらうことは何よりも優先すべき課題と考えている。ことしもほかの海事団体などとの連携をさらに深め、あらゆる機会を通じてこのような活動の強化を図る。

また昨年は、バラスト水管理条約の発効要件充足や硫黄酸化物(SOx)排出規制時期の決定、地球温暖化への取り組みの強化など、海運産業に大きな影響を及ぼす環境規制の新たな動きがあった。海を事業の場としている海運産業界の責務として、IMO(国際海事機関)で決定されたルールに従って海洋環境保護に積極的に取り組んでいく。

一方、日本をはじめとする各国政府の海賊対処活動をもって、最近はソマリア沖・アデン湾海域での海賊被害の報告は激減している。しかし、そのほかの海域では依然として凶悪な海賊事案が報告されている。海運産業界では引き続き自衛措置を講じていくが、各国政府でも一層緊密に連携して、海賊の根絶に向けた活動を継続してもらいたいと願う。