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川崎汽船社長、コンテナ事業統合による構造改革を強調

2017年1月4日 (水)

ロジスティクス川崎汽船の村上英三社長による年頭所感の要旨は次の通り。

村上社長の年頭所感(要旨)

川崎汽船社長、コンテナ事業統合による構造改革を強調何よりも言いたいことは、当社が昨年10月31日に大きな決断をしたこと。邦船3社にとって祖業にして主軸事業の一つであるコンテナ船事業と海外コンテナターミナル事業を本体事業からスピンオフし、3社による統合会社を新設することで、永年にわたり個別に経営してきた同事業を構造改革する構想だ。

3社のコンテナ船事業は、東西航路(アジア-北米、アジア-欧州、欧州-北米)を中心に、ことし4月から同じアライアンスメンバーとして共同配船を行うことが決まっているが、さらに大きなコスト競争力を実現することなく競合船社に打ち勝つことができないという事業環境のもと、船の共同運航にとどまらず、3社対等の精神による事業そのものの統合という、さらに一歩踏み込んだ形で、新会社による経営体制に換えるというものだ。

3社合わせた船隊規模と統合体制によるコスト競争力、3社がそれぞれ永年培った営業競争力をもって、規模の経済を追求する海外の競合船社と伍して戦っていくことが、3社共通の中長期的視点からのこれからのコンテナ船事業の戦略となる。統合効果により、現状レベルの市況悪化時でも利益を出せる体制が確立される。

統合新会社が営業をはじめる2018年は、当社の初めてのフルコンテナ船である初代「ごうるでんげいとぶりっじ」就航から50年目にあたる。半世紀を経たコンテナ船事業を取り巻く環境は、その事業規模の拡大を中心に、大きく変化をしてきた。その変化に合わせた事業体制が必要になってきたということだ。四方を海で囲まれた海運立国日本の定期船事業は、3社の力を合わせた強靭な組織で打ち勝っていくことになった。

統合される2つの事業以外は、従来通り、3社それぞれ個社の事業としての経営となる。新体制設立以降は、持分法適用会社としての統合新会社を通した形でのコンテナ船事業への関与と、当社直接の経営となるその他のセグメントをあわせた形での新たなポートフォリオ経営を展開していくこととなる。

このことは新生Kラインに向けて、大変革を行っていくことを意味している。総合海運企業グループとしての強みを最大限に活かし、高いレベルの組織目標のもと、新しいことへのチャレンジ精神をもって、各自が自身の目標に向かって確実な業務遂行を行うことで、必ずこの荒波を乗り越えることができると考える。

このコンテナ船事業の構造改革に伴って、新たな中期経営計画を策定し、発表することとなるが、当社の掲げる企業理念や環境への取り組みを含めたビジョンには変更ない。安全で確実な運航への努力と、環境保全といった社会の要請に応えて、先進的なチャレンジに取り組み、社会との共利共存と持続的成長を目指していこう。